トランプ大統領は15日、サイバー空間などで国家安全保障にリスクがあるとみられる企業の通信機器を米国内の企業が使うことを禁止する大統領令に署名し、米商務省は同日、ファーウェイと関連企業70社をブラックリストに追加しました。これに対し、米議会下院の情報委員会の共和・民主両党議員が支持を表明しました。
米議会の下院情報委員会は16日、中国当局の「デジタル威権」を検証する公聴会を開きました。民主党のアダム・シフAdam Schiff)委員長は、新疆での人権迫害を例に挙げ、ファーウェイが開発した監視システム「平安都市」は少なくとも46か国に輸出されていると指摘しました。
米国会下院情報委員会 アダム・シフ委員長
「ファーウェイ関係者は、製品を購入した各国市民の自由を保障したり、プライバシーを保護したりすることに全く関心がないと明言している。これは受け入れられない」
トランプ大統領は15日、情報通信インフラに脅威を与える緊急事態だとして、安全保障の観点からリスクがある企業との取引を禁止する大統領令に署名しました。同日、米商務省はファーウェイと関連企業を「エンティティリスト」に追加しました。
米国会下院情報委員会 ホアキン・カストロ議員
「これらの決定、特に商務省の決定を支持する。私はファーウェイとZTEの脅威について去年から警告してきた一人だ」
下院情報委員会 マイク・コナウェイ議員
「大統領の決定に同意する。ファーウェイが我々のシステムに入れないように政府レベルですでに行動を取っている。我々のシステムに対し脅威であるからだ。禁止令の範囲を公共部門以外および全米に拡大したのは正解だ」
大統領令の署名から数時間後、中国当局は5か月にわたり拘束していたカナダ人2人を正式に逮捕しました。シフ委員長は、中国共産党は世論の焦点をずらすと同時に、カナダ政府にファーウェイのCFO、孟晩舟容疑者を釈放するよう脅迫していると指摘しました。
米国会下院情報委員会 アダム・シフ委員長
「中国共産党は公開会話を中共に有利なほうに捻じ曲げている」
下院情報委員会は早くも2012年、ファーウェイとZTEが米国の国家安全にもたらすリスクについて指摘し、年次報告に盛り込みました。同委員会の中国の脅威を検証する公聴会は今後も行われる予定です。