中国ではアフリカ豚コレラの感染がすべての省で確認されたが、近日、広東省で豚の死骸が大量に放置されている動画か投稿された。しかし、地元政府はこれらの豚の死因はアフリカ豚コレラではないと主張している。
広東省陽春(ようしゅん)市のある村の村民、林(りん)さんは、地元ではアフリカ豚コレラの感染がここ1か月で爆発的に増え、ピークに達していると述べています。
広東省陽春市合崗村 林さん
「一度に200頭が死んだこともあり、全部死んだ。ここ1か月はピークに達しているが、区内の至る所に豚の死骸が放置されている」
林さんによると、地元の村のゴミ置場には毎日20頭前後の豚の死骸が捨てられているとのことです。地元には複数のゴミ置場があるが、どこも豚の死骸が捨てられており、清掃員が来ない日は、あたりで悪臭が漂うといいます。
広東省陽春市合崗村 林さん
「地元区内のゴミ置場のゴミは、回収は毎日ではなく、数日に一度来るが、豚の死骸はそこで悪臭を放っている。陽春市の道路を車でゆっくり走ると、至る所に豚の死骸が置かれている」
林さんによると、豚が死亡しても、地元の養豚農家は政府に報告しないそうで
す。政府から補償金をもらえるどころか、かえって処理費を請求されるといいます。
養豚農家の周さんは、飼っていた豚200頭あまりが、一度に全部死んだそうです。
養豚農家 周さん
「ゴミ置場に捨てるしかない。埋めるところもない。補償金があれば、もちろんもらいたい。200頭以上あるので、損失が大きい。保険に入ろうとしたら、600頭以上じゃないと入れないと言われた。しかも1年の保険だ」
周さんによると、地元政府は豚の死亡は、ウイルス感染によるもので、アフリカ豚コレラが原因ではないと主張しています。
養豚農家 周さん
「ウイルスによる死亡だと言って、政府はアフリカ豚コレラの感染を認めていない。補償を求めることもできない。道路脇には豚の死骸だらけだ」
2018年8月にアフリカ豚コレラの初の感染例が遼寧省で確認されて以来、4月19日には全国31の省、自治区、直轄市で感染が確認されました。一方、中国農業農村部は4月23日、全国のアフリカ豚コレラはすでに効果的にコントロールできていると発表しました。さらに5月14日には、他の部門や個人がアフリカ豚コレラに関する検査情報を勝手に公表してはならないとの通知を出しました。これに対し、ネットユーザーは中国共産党当局は情報を封鎖することで、「アフリカ豚コレラの撲滅」を実現しようとしていると揶揄しています。