5月29日、国際シンポジウム「日米台安全保障協力の方向性」が東京で開かれました。シンポジウムには日本、米国、台湾の安全保障問題の専門家が招かれ、台湾有事に備えた日米台の連携について提言を行いました。
シンポジウムの主催者、日米台関係研究所の渡辺利夫理事長は、台湾有事の時には日米台三者連携を持って対応する必要があると述べました。
日米台関係研究所 渡辺利夫理事長
「同盟国の米国と共に、台湾の民主主義を物心両面から支える。万一、台湾有事が発生した場合には、日米台三者の連携をもって、これに対抗しなければならない」
台湾シンクタンク副執行長の頼怡忠(らい・いちゅう)氏は、民主主義国家は連携して、中国共産党の対外拡張を阻止する必要があり、これは民主主義と独裁体制の戦いであり、台湾は最初の戦いの地となると述べました。
台湾シンクタンク 頼怡忠副執行長
「中共は民主主義を政権の合法性を揺るがす根本的な脅威と見なしている。民主主義に勝つために、他国をも彼らのように変えようとしている。よって台湾や他の民主主義国家は今すぐ立ち上がらなければならない。この最初の戦いの地は台湾になるだろう」
頼怡忠氏はまた、中国共産党はメディアのフェイクニュースを通して、台湾の民主主義に対し新たな攻撃を仕掛けていると指摘します。
台湾シンクタンク 頼怡忠副執行長
「大阪の(台湾)総領事、蘇啟誠外交官は(昨年)、フェイクニュースが原因で自殺した。他にも、中国の飛行機が中間線を超えて(中央部の)玉山に近づいているなどもフェイクニュースだった。昨年のホンジュラスが断交しようとしているなども事実ではない。これは最も深刻な問題だ。社会の信用を根本から転覆させ、民主主義体制を破綻させようとしているからだ」
米元国防次官補で退役海兵隊中将のウォレス・グレグソン(Wallace Gregson)氏は、台湾の若者に民主主義は正しい方向であると確信を持たせるためには、民主主義体制をもっと強く支持する必要があると述べました。
元米国防次官補 ウォレス・グレグソン氏
「我々は民主主義体制をもっと強く支持し、台湾の若者が民主主義は正しい方向であると確信が持てるようにしなければならない」