香港で12日、中国本土へ容疑者の移送を可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対する市民が、立法院(国会)周辺を埋め尽くした。主要幹線道路が占拠されるなど抗議は拡大している。警察は参加者に催涙スプレーを噴射した。立法院議長は同日予定されていた審議の再開を延期する方針を示した。
民主派団体、民間人権陣線(民陣)および民主派議員らは、香港市民に対して、改正案を撤回させるために、来週木曜日まで「平和かつ理性」のある大規模な抗議デモ、ストライキ、授業のボイコットの実施を呼びかけた。
12日早朝、一部の市民が香港島中心部の金鍾(アドミラルティ)に位置する立法院の前に集まり、抗議活動を行った。
教育界や芸術界関係者10人は同日早朝、立法院の前でハンストを始めた。映画監督の應亮氏、芸術家の莫昭如氏、香港大学の何式凝教授らが参加した。香港非政府組織(NGO)団体、香港文化監察の楊雪盈主席は、海外にいる香港市民も含めて、より多くの市民がハンストに参加するよう呼び掛けた。
一方、林鄭月娥・行政長官は11日、香港メディアに対して、9日の市民らによる大規模な抗議デモを批判し、改正案の撤回も否定した。
長官の発言に香港市民の不満が高まった。香港中文大学、香港理工大学、香港科技大学など7つの大学が12日、授業のボイコットを発表した。中文大学の蘇浚鋒・学生会会長は、林鄭長官が「民意を完全に無視した」と非難した。蘇会長によると、9日夜、警官隊と抗議者が衝突したことで、中文大学の学生4人が当局に拘束された。
また、インターネット上では10日午後9時半ごろ、約3700人の教師が「逃亡犯条例」改正案への反対に署名した。教師らは、改正案が撤回されるまで全市のすべての教育現場でストライキを実施するよう呼び掛けた。
香港教育界の労働組合である香港教育専業人員協会(教協)は、学生の授業ボイコットと教師のストライキを「尊重する」との考えを示した。
50以上の福祉団体と宗教団体が、12日のストに加わると表明した。またソーシャルメディア上では、1000店以上の飲食店や雑貨店などの小規模な小売店や零細企業までもが12日にストを実施すると投稿した。
航空会社のキャセイパシフィック航空とキャセイドラゴン航空の一部の社員も、インターネット上で署名活動を行っている。社員は労働組合にストの実施を要請した。(The Epoch Times Japanより転載)
香港6月12日(2)立法会の前
香港6月12日(3)警察も疲れた様子
香港6月12日(4)警察が催涙弾発射
香港6月12日(5)警察が催涙弾・ゴム弾発射 !負傷者も