6月12日、香港政府は容疑者を中国に引き渡すことを可能にする「逃亡者条例」改正案に反対する市民に対し、鎮圧を行いました。林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は12日、テレビのインタビューを通して今回の抗議活動を「組織的な暴動」であると発表しました。
新唐人香港記者 梁珍
「6月12日は香港にとって暗黒な1日でした。警察当局は午後、丸腰の抗議市民に発砲し、ビーンバッグ弾(布袋弾)やゴム弾などの武器を使用し、多くが負傷しました。現在、金鐘駅一帯は封鎖され、市民らはセントラルにまで退いています」
市民らの抗議現場は香港中心部のアドミラルティからセントラルに移りました。現場には依然として数千人の市民が居残りました。一部の市民は、警察が発砲したことをうけて参加を決心し、抗議現場に駆けつけました。
抗議現場の香港市民
「今日午後政府は鎮圧にビーンバッグ弾を使った。遠距離で使用すべきなのに、近距離で撃った。全く人道主義精神に反している。私は受け入れられないので、立ち上がらねばならない」
香港市民 陸偉萍さん
「前途洋々な若者達が、高学歴の大学生も出てきた。若者たちは何を求めるべきかよく知っている。50もすぎた私のような人が、後ろに隠れていてはならない。何が怖い?政府が民意をこれほど恐れるのなら、長続きするとは思わない」
12日夜、行政長官選挙委員会の200人以上の委員が連名で、キャリー・ラム行政長官の辞任を求めました。選挙委員らは政府の冷酷な対応が市民の自発的な占拠運動を招いたと批判しました。それに対し警官隊は、2014年の雨傘運動のときよりもさらに暴力的な方法で抗議者を鎮圧し、キャリー・ラム氏は行政長官としての正当性を失い、退陣すべきだと批判しました。
報道によると12日の鎮圧で、70人以上が負傷しました。「逃亡犯条例」改正案の審議は12日から13日に延期されていましたが、再度見送られました。審議日程は議長が決定し次第、発表されるとのことです。