7月1日、デモ隊の抗議者らが香港の立法会に突入したことについて、内部に工作員がいる、マフィアが関わっているなどの噂が流れ、各界から注目されています。我々はこれまでのデモの最前線で、ボランティア救急員を務めた香港市民を取材しました。報道をご覧ください。
1970年代生まれのアロンさんは、2003年の「香港基本法23条」立法に反対するデモ、2012年の中国共産党による洗脳教育に反対する「反国民教育」デモ、2014年の雨傘運動、今回の「逃亡犯条例」改正案反対デモで、毎回最前線で市民のために医療サービスを提供してきました。
デモ現場救急員 アロンさん
「私がしみじみと思うのは、最前線に立つべきなのは、彼ら(若者)ではなく、我々の大人だ。私はもっと多くのことができると思い、救急員の資格を取得した」
7月1日、アロンさんはボランティアとして立法会の周辺で救急活動を行いました。アロンさんによると、午前11時、抗議者たちが行動をグレードアップすることについて討論を行いました。
1日の立法会占拠について、ネット上では「デモ隊の内部に工作員がいる」「マフィアが関わっている」などの情報が流れています。このことについてアロンさんはこのように述べます。
デモ現場救急員 アロンさん
「現場での私の観察では、私は討論に参加していないので、そのような人(工作員)がいたかは知らない。彼らは憤慨し絶望に陥った抗議者だった。6月9日から7月1日までの20数日間、100万人デモから200万人デモ、非協力運動、警察本部と政府本部の包囲、立法会の会議阻止活動など、やるべきことは全てやったのに、政府は何も応じてくれない。立場を変えて考えてみて。立法会突入は10年の刑を問われる。いくらもらったら、10年の青春と引き換えにするだろうか。今回は10年の刑だけでは済まない。直面しているのは今後の人生全てだ。前科がつき、一生涯に影響を与える問題だ」
自ら命を絶つことで政府に抗議した若者に言及すると、アロンさんは言葉をつまらせました。若者たちには命を大切にし、希望を持ってほしいと呼びかけます。
デモ現場救急員 アロンさん
「若者たちの命は貴重だ。浪費しないでほしい。我々大人はあなたたちを見捨てはしない。あなたたちが何をしようと、我々は支持する。くれぐれも希望を捨てないでほしい。憂鬱になるときは、楽しいものを見るといい。今回活動のスローガンに『Be Water(水になれ)』がある。水滴が石を穿つのは一朝一夕のことではない。ゆっくりと、我慢強く耐え抜いて、希望を持って諦めないことだ」
7月2日から、香港政府の取り締まりが始まりました。警察当局は立法会を封鎖し、刑事案件として調査を開始しました。一連の抗議活動で逮捕された人数は52人に上り、最年少は14歳です。アロンさんも新唐人の取材後、台湾に一時的に避難することを決めました。