米国務省は7月8日、台湾への武器売却計画を承認しました。これにより、22億ドル相当の戦車やスティンガーミサイルなどの売却が可能になりました。
米国防総省の国防安全保障協力局(DSCA)によると、今回売却が承認された武器には、M1A2エイブラムス戦車108両と関連装備、地対空ミサイル「スティンガー」約250発に加え、M88A1装甲回収車、牽引トラクター、機関銃や弾薬が含まれています。DSCAはエイブラムス戦車の売却に関して、「台湾の主力戦車部隊の近代化に貢献し、地域における現在と将来の脅威に対応し、台湾全土の防衛能力の強化につながる」と説明しています。
また、台湾への武器売却によって周辺地域の基本的な軍事的均衡が変わることはないと説明しています。
台湾国防部戦略規劃司 吳宝琨司長
「(中華民国)国防部は米国側の武器売却の決定に謝意を表する。今回はトランプ政府による4回目の武器売却で、米国の台湾への武器売却が正常化しつつあることをあらわしている。台米は引き続き安全戦略同盟関係を強化し、共に台湾海峡の民主と自由およびインド太平洋地域の平和と安定を守る」
いっぽう、中国外務省は米国の台湾への武器売却の報道を受け、米国政府に対し強い不満を表明しました。これに対し、米国政府は関連法に基づいた武器売却であると強調しました。
ランドール・シュライバー米国防次官補
「我々の武器売却は現地の安全環境に基づいており、『台湾関係法』により軍事的均衡を評価してから判断した。法律に基づき、執行しただけだ」
米国防省は今年5月に国会に提出した中国軍事力報告書の中で、台湾は中国軍の主な戦略目標であり、中国共産党が台湾に対し大規模な武力を行使した場合、軍事的抵抗と国際社会による介入に直面することになると指摘しています。米国は「台湾関係法」および三つの米中共同声明に基づき、台湾に対し持続的に防衛用の武器を提供するとしています。2010年から、米国の台湾への武器売却規模は150億ドルを超えています。