毎年7月20日になると、世界各地では法輪功学習者に対する迫害停止を呼びかけるイベントが開かれます。香港では7月21日、毎年恒例の反迫害パレードが行われました。
1999年7月20日、当時の共産党トップ、江沢民は法輪功に対する全面的な弾圧を発動しました。中国国内では法輪功に対する誹謗中傷や残酷な拷問、さらには臓器狩りで暴利を貪るなど、想像を絶する手段で法輪功学習者を迫害し、海外ではメディアを通して誹謗中傷の報道を広めました。
このような厳しい情勢の下、海外の法輪功学習者らは、街頭でチラシを配ったり、各国の議員を尋ねまわるなど、可能な限りの方法で20年間絶えず真相を伝えてきました。パレードを行うのも真相を伝える方法の一つとして、各国で行われています。
香港のパレードは毎回地元市民はもちろん、中国本土からの旅行客をも惹きつけています。21日のパレードでも、本土から訪れた中国人が共産党組織からの脱退を表明しました。
香港では6月から、「逃亡犯条例」改正に反対するデモが毎週続いています。21日にも多くの市民が、引き続き改正案の完全撤回を含む5つの要求を掲げて、デモ行進しました。今回は「独立調査を行い、司法を守り、真相を守る」ことをテーマに、民主派団体「民間人権陣線」の主催で行われました。
デモ隊は午後3時半にビクトリアパークから出発し、ゴールの盧押道(ルアード・ロード)に向かいました。ゴールに到着後、主催者が解散を呼びかけましたが、デモ隊は政府本部のある金鐘(アドミラルティ)に向かい、夏愨道(ハーコートロード)を占拠しました。
民間人権陣線の発表によると、21日のデモにはおよそ43万人が参加しました。一方、警察は参加人数をピーク時で13万8千人と発表しています。
これまでのデモとは違い、今回はデモ終了後、デモ隊の一部が西環(サイワン)にある中国当局の出先機関「中央政府駐香港連絡弁公室」に向かい、抗議を続けました。
ある抗議者が、正門の中国の国章にペンキを塗りました。建物の看板にも卵を投げつけ、庁舎の壁にスプレーでスローガンを書き、入り口の監視カメラにもスプレーを噴き付けました。警官隊が到着する前にデモ隊は上環 (ションワン)に移動しました。
上環(ションワン)では、デモ隊を退散させるために、機動隊が出動し、催涙弾を発射しました。午後11時頃、オレンジ色の旗を挙げて、退散しないと発砲するとデモ隊に警告しました。
いっぽう、香港中心部から離れた場所にある元朗区(ユンロンく)では、午後10時半頃から棍棒などを持った暴力団と見られる集団およそ千人が現れました。マスクをした白いTシャツ姿の男たちは黒い服を着た市民を手当たり次第棒で殴り、多くの人が負傷しています。
暴漢らは元朗(ユンロン)駅のプラットホームや車内で市民に襲いかかり、民主派の立法会議員林卓廷(ラム・チュクテン)氏も電車の中で殴られ、顔や腕に負傷しました。ネット上には暴行を受け、血だらけになっている市民の写真が投稿されています。情報によると、45人が負傷し、一人が重体となっています。また、現場の市民が何度も通報したものの、警察はなかなか現れなかったといいます。