中国河南省三門峡(さんもんきょう)市のガス工場で19日、爆発が発生しました。当局の発表では20日午後までに、15人が死亡し、256人が病院で治療を受けています。一方、地元住民によると、爆発によって5キロ離れた場所でも家屋が損壊し、ガラスが割れました。当局は情報を封鎖しており、実際の死傷者数は当局の発表をはるかに上回ると話しています。
19日午後5時45分、河南エネルギー化学工業集団義馬ガス工場が爆発炎上し、現場からはキノコ雲が立ち上りました。爆発後、工場の敷地内は廃墟と化し、ほとんどの建物は枠しか残っていません。工場付近の住宅地では、多くの民家が倒壊し、5キロ離れた場所にも被害が及んでいます。
ある遺族が大紀元に伝えたところによると、事故発生後、当局は真っ先に情報を封鎖し、遺族は死者との対面すらできないそうです。遺体は見せてもらえず、DNA検査を要求されているとのことです。
別の市民も、当局は情報を封鎖しており、実際の死傷者数は当局の発表より、はるかに多いと話しています。
河南省義馬市民 岳さん
「4〜5キロ先でも、家屋が多く損壊しており、負傷者は数え切れないほどだ。今、道路に割れたガラスやゴミが運び出されている」
事故の翌日、あるネットユーザーは、「昨日の義馬のガス爆発で同僚の高校同級生が行方不明になっている。今日の午後に検査結果が出たが、遺体すらない」と投稿しています。また別のユーザーは、「20代女性が亡くなったが、遺体は真っ黒焦げになっている」と投稿しています。
地元住民によると、爆発があったガス工場は住宅地に近い距離に位置しており、普段から異臭がひどく、爆発後も有毒なガスが漏れていたとのことです。
河南省義馬市民 邵さん
「ガス工場は村から非常に近く、道路を隔てた場所にある。爆発の威力が大きく、ガラスが多く割れた。まだ修理していない。政府は特に何も言っていない」
また、義馬市に住むある女性が、ウィチャットのグループで爆発関連の情報や動画を発信し、当時の恐怖を伝えながら地元当局の役人を批判したところ、21日、警察に連行され、12日間の拘留処分を受けました。
連行された義馬市民 南燕さん
「爆発で人が死にそうだ。現場だったら死んでいるはずだ。上の指導者たちの報いだ。いつも庶民を敵扱いし、苦しめている。怖くて死にそうだ。道路も崩壊しそうで、みな不安がっている。間違いなく多くの人が死傷している。役人は全員クビだ」
公開情報によると、義馬市ガス工場は1997年に建設が始まり、2006年から稼働しています。1220人の従業員を抱えており、主に天然ガスやメタノール、ジメチルエーテル、酢酸(さくさん)などを生産しています。皮肉なことにこの工場は7月9日に、河南省安全生産委員会から「安全生産リスク二重予防システム建設ベンチマーク企業」に認定されたばかりでした。