7月21日、香港の元朗(ユンロン)駅で白いTシャツ姿の暴力団が市民を襲撃する事件が発生しました。親中派議員の何君堯(ユニウス・ホウ)氏と中央政府駐香港連絡弁公室が暴力団に襲撃を指図したことが疑われていましたが、ここに来て目撃証言も寄せられています。このほか、何(ホウ)氏は、香港の法輪功学習者に対し長年嫌がらせ行為を続けている「香港青年関愛協会」の名誉会長であることも明らかになりました。
21日、香港では「逃亡犯条例」改正案に反対し、43万人が黒い服を着用し、平和的なデモを行いました。
デモ終了後、元朗(ユンロン)駅周辺に白いTシャツで服装を統一した暴力団が出現し、黒い服のデモ参加者だけでなく、通勤客など一般市民に対しても、無差別襲撃を行いました。のちに、市民を襲撃したのは香港の犯罪組織「三合会」(さんごうかい)のメンバーであることが明らかになりました。
一方、21日夜、現場で暴力団のメンバーと握手をかわしながら「ヒーローだ」と讃える親中派議員何君堯(ユニウス・ホウ)氏の姿が動画に捉えられ、物議を醸しています。しかし、何氏は偶然現場を通り過ぎただけだと言い訳しました。
親共産党派議員 何君堯氏
「いかなる暴力事件も支持しない。前日夜のことは私と何の関係もない。関与も画策もしていない」
しかし、地元住民の李さんは新唐人テレビに対し、何氏が白いTシャツの集団に対し、人を殴るよう煽っているのを目撃したと証言しています。
香港元朗住民 李さん
「10時過ぎにある議員を見た。私も知っている議員で、テレビで見たことがあり、何君堯という議員だった。あちらから歩いてきた。周りに白衣の集団がいて、彼がこちらに歩いて来た。私はあのベンチに座っていた。彼らは大声で話していて、私に気づいていなかった。『今晩は頑張って、息子たちに教訓を与えよう』などと言っていた。それを復唱する人もいた。何議員も明確に言っていた。『殴れ。ただ殴り殺すな』と。つまり、思い切り殴って殺さない程度でいいと」
親中派議員の何氏は中国共産党と深いつながりがあると言われています。香港大紀元の調べによると、何氏は中国共産党政法委員会の背景を持つ「香港青年関愛協会」の名誉会長で、法律部門の要職に就いています。反法輪功組織として設立された「香港青年関愛協会」は、香港の法輪功学習者に対し、暴力を伴う妨害活動を長年行なっており、中央政府の法輪功迫害組織「610弁公室」から経費を提供されています。このほか、何氏は2016年、新界区の議員に当選した際、中央政府駐香港連絡弁公室に感謝すると表明しました。
ロイター通信によると、中央政府駐香港連絡弁公室新界工作部の部長を務める李蓟貽(り・けいい)氏は、今回の襲撃事件の前に行なった内部工作会議で、元朗の地元勢力を利用してデモ隊を叩き出すよう呼びかけていました。この内部講話から1週間後の7月21日、元朗では例の無差別襲撃事件が発生しました。
中聯辦新界工作部部長李薊貽
「この数か月間は、彼らが元朗に来て騒動を起こさないように、十分な準備をしておくことだ」
元朗区の民主派議員は、李薊貽は会議で、明らかにデモ隊に暴力を振るうよう地元勢力をそそのかしていたと話します。このほか、タイのボクシング選手アティ・ルインペー(Athit Rueanphet)が近日、「雇われて21日の襲撃事件に加担した」ことをタイメディアを通して認めました。
21日夜、無差別襲撃は2時間にわたって行われましたが、通報を受けても警察はなかなか現れませんでした。さらには警察幹部が暴力団メンバーと話し合っているところを動画に捉えられています。
24日、何君堯氏の母校皇仁書院(クイーンズカレッジ)の卒業生らが新聞2ページを丸々使い、何氏の暴虐を非難する署名を掲載しました。
このほか、香港政府に勤める行政主任470人と公務員300人も、連名で警察当局を非難し、香港政府を批判しました。北京と深い関係があると言われる経済団体「香港総商会」も元朗の襲撃事件を強く非難し、徹底的な調査を求めています。