「逃亡犯条例」改正案をめぐりデモが続く香港では、9日から空港で、香港を訪れる外国人や中国本土の人々に向け、香港の真相を伝える活動を行なっています。一方、香港政府は9日の記者会見でも、市民らの訴えを無視しました。
キャリー・ラム行政長官は9日、経済界の代表らと共に記者会見を開き、市民が特区政府と警察当局の法の執行に対してに不満を持っていることを知っていると述べました。
香港特区政府 林鄭月娥行政長官
「みなさんが特区政府と改正案および、警察に対し不満があるのは知っている」
しかし、市民が掲げている5つの要求、および警察の暴力的な法の執行に対する調査については、応えませんでした。
行政長官は、8月27日に予定していた行政会議を13日に前倒しすると示しました。
9日から市民らは香港国際空港に集結し、平和的な方法で世界各地から香港を訪れる人々に対し、市民らの訴えと香港の実情を伝えています。
柯婷婷記者
「市民が香港国際空港の出発ロビーを埋め尽くしています。手に中国語、英語、日本語で書かれたパネルを持って、訴えています」
米国国旗を振りながら、国際社会に香港への現状を訴える市民もいます。
香港市民 DEREK氏
「注目してほしい。国際社会が香港を注視してほしい。香港は今危険な状況に置かれている」
香港市民 陳さん
「林鄭月娥の退陣を望む。また我々の5つの要求も受け入れてほしい。さもないと、この運動を続けるしかない。2014年の雨傘運動の時のように、今回は勝つしかない。負けてはならない」
「逃亡犯条例改正案が施行されると、香港は自由がなくなり、言論の自由もなくなる」
香港のいたるところで見かける「レノン・ウォール」が空港にも現れました。レノン・ウォールになった若者たちの身体に、圧政への抗議や香港人への励ましのメッセージが次々貼られていきます。
また、多くの若者が出発ロビーや到着ロビーに立ち並び、各国からきた旅行客にチラシを手渡し、香港への関心を呼びかけました。
シンガポール人旅行客 JANELLE LIN氏
「私の地元で聞いた情報によると、彼らは逃亡犯条例改正案に抗議している。この条例は香港の自治と独立を脅かしている。それぞれの色が何を代表しているのか分からないが、彼らは非常に統制が取れている。彼らは冊子なども配っていて、外国人に何が起きているかを教えている」
英国人旅行客 TISHA BARTHIPAN氏
「これは人々の注意を引くと思う。何が起きているか知らない人もいる。平和的な抗議で、悪くないと思う」
空港でのお出迎え活動は週末の三日間行われる予定です。他にも、様々な抗議活動が、香港の各地で予定されています。