近日、米国の会員制倉庫型卸売大手のコストコが上海に初の実店舗をオープンしましたが、買い物客が殺到し、大混乱となり、半日で営業を終了しました。
米中貿易戦争の激化に伴い、中国のメディアは民衆の反米感情の高まりを盛んに報じていますが、実際のところはどうなのでしょうか。
8月27日、1100台を収容できるコストコの駐車場は午前9時前にすでに満車となりました。
来店客が押し寄せ、11時頃にはすでに限界を超え、店側は入店制限をはじめました。
駐車場に入るための車列は2キロにわたり、周辺の交通が麻痺しました。さらには、遠方から訪れた来店客が入店できないとわかると、店側に経済損失の弁償を求めました。
いっぽう、店内は来店客で溢れ返り、まるで戦場です。コストコは商品のサイズが大きく、高品質、低価格が特徴です。例えば、日用品は市場価格の3割から6割も安く、食品価格も1割から2割程度安く販売されています。また、普通3000元で売られている中国の高級酒、茅台(マオタイ)酒が、コストコでは1500元以下で販売されています。
中国では最近、豚肉や卵などの食品価格が高騰していることもあり、食肉売り場では商品の奪い合いの場面も見られました。
店側はさらなる混雑を避けるために、開店からおよそ2時間後、会員宛に営業終了の知らせを発信する羽目になりました。
米中貿易戦争が激化する中、中国の官製メディアは反米感情を絶えず煽っていますが、コストコの開店セールで見られた光景から、民衆の心の内を垣間見ることができます。