8月31日、香港の各地で散歩や花見などの形式で集会やデモが行われました。立法会の近くでは、警察が催涙弾や放水車を使って、集結した市民を退散させました。地下鉄の太子駅では、警官隊が駅を封鎖し、電車の車内に突入し、警棒で市民をめった打ちにしました。また、デモ隊に変装した警官が火炎瓶を投げている動画も撮影されています。
記者 Jeremy Sandberg
「政府は市民のデモを禁止し、民主活動家や議員などを逮捕していますが、市民は怯えていません。大勢の抗議市民が街頭に出て、スローガンを叫び、自由を求めて行進しいます」
民主派団体「民間人権陣線」が予定していたデモは警察からの許可がおりませんでしたが、人々はあらゆる方法で抗議活動を続け、5つの要求を訴えました。
また、香港では宗教の集会は許可が必要ないため、多くのキリスト教徒が香港島の中心地、湾仔(ワンチャイ)の球場に集結し、集会を行いました。
しかし、警察による暴力はさらにエスカレートしました。
立法会周辺では、警察は市民に向け、催涙弾のほか、蛍光塗料入りの青い水を噴射しました。
地下鉄の太子駅では、警官隊が乗客を警棒でめった打ちにし、さらには電車内の乗客に銃口を向け、催涙スプレーを噴射しました。一部の警官は車内に入り、無差別に乗客に暴行を加えました。殴られて頭から大量に血を流す若者が、警察によって連行されました。
デモに参加した市民
「政府は我々の要求を聞こうとしない。我々は自由がないことに何年も苦しんでいる」
デモに参加した市民
「我々は政府と衝突したくない。言いたいのは、我々は人権が必要だ。そのために出てきている。みんなに知ってほしいのは、我々は平和的に抗議している。暴力は要らない」
デモに参加した市民
「我々香港人は自分たちを守るために、自由を勝ち取るために立ち上がっている。香港を支持していただきたい」
31日の抗議活動では、デモ隊と同じ服装をした男たちが火炎瓶を投げる様子が撮影されました。男たちはいずれも、リュックサックにLEDライトを付けていることが複数の動画から確認されました。さらには、火炎瓶を投げた男の一人が、香港の警官隊と同じ拳銃を所持している様子が写真に収められました。
8月31日は、真の普通選挙を求めて79日間続いた雨傘運動が、5周年を迎える日です。
雨傘運動が起きたきっかけは、2014年8月31日の全人代での香港の行政長官選挙の改革方針の決定によるものでした。北京当局が指名した候補者から選出することになり、民主派が事実上排除されたのです。
民間人権陣線は「香港人へ送る手紙」を発表し、5年前の教訓を忘れないように呼びかけ、31日の午後8時31分に自宅または町内でキャンドルやスマホのライトをつけ、心の声を一斉に叫ぶよう提案しました。
真の普通選挙を勝ち取ることは、「逃亡犯条例」改正反対運動の5大要求の一つでもあります。