香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が4日、市民が掲げている5つの要求の一つである、「逃亡犯条例」改正案の完全撤回を表明しました。香港の政党「香港眾志(デモシスト)」の秘書長、黃之鋒(ジョシュア・ウォン)さんは、台湾メディアに対し、香港人は抗議活動を続けると示しました。
林鄭月娥行政長官
「特区政府は条例改正案を正式に撤回し、市民の憂慮を完全に解消する。保安局の局長会議は立法会再開後、議事規則動議に従い条例改正案を撤回する」
4日午後6時、林鄭月娥行政長官はテレビ演説を通して、市民が3か月近く抗議している「逃亡犯条例」改正案を正式に撤回すると表明しました。しかし、デモ隊に対する警察の暴力を調べる独立調査委員会の設置には応じない方針を改めて示しました。普通選挙の実現、デモ逮捕者の釈放など、ほかの3つの要求についても応じていません。
台湾訪問中の香港の政党「香港眾志」の秘書長、黃之鋒(ジョシュア・ウォン)さんは、台湾メディアに対し、抗議をやめないと示しました。
「香港眾志」秘書長 黃之鋒氏
「香港の行政長官は市民が選出したのではない。『逃亡犯条例』改正案が撤回されたとしても、香港人の抗議活動は、10月1日までやめない」
民主派団体「民間人權陣線」のリーダー、岑子杰(ジミー・シャム)さんは、条例改正案の撤回だけでは足りないと述べました。
民間人權陣線 岑子杰氏
「火がついたばかりの時は、茶碗一杯の水でも簡単に消せるが、アマゾンの森林火災のようになると、一杯の水では火を消せないだけでなく、火の勢いを助長することになりかねない。林鄭氏が本日悪法だけを撤回したが、平和的な抗議を主張する『和理非』派の市民すら感動していない。運動は続くだろう」