香港の人権団体によると、中国湖南省で「香港への突撃」を想定し、演習を行っていた解放軍のヘリコプターが墜落し、乗っていた全員が死亡しました。香港の時事評論家は、この事故によって中国共産党当局の香港鎮圧計画が公になったが、皮肉なことに中国産兵器の品質があまりにも劣悪であると指摘しています。
香港に本部を置く人権団体「中国人権民主化運動情報センター」が10月30日、中国共産党人民解放軍南部戦区所属の陸軍第75集団軍の「第121空中突撃旅」が10月上旬に湖南省漵浦県で「香港への突撃」を想定し演習を行っていた時墜落したと伝えました。事故が起きたのは10月11日午後7時40分頃で、演習中のヘリコプターが山に激突し、乗っていた11人が全員死亡しました。
今回墜落した重さ13トンのZ-8(直-8G)ヘリコプターは、中国軍の最新型の輸送へリで、定員は武装兵士30人で1000キロの飛行を可能としています。香港の時事評論家、潘東凱(はん・とうがい)さんは、今回の事故から中国製兵器の品質のレベルが窺い知れると語ります。
香港の時事評論家 潘東凱氏
「中共の軍事装備は、毛沢東の言葉を借りると、張子の虎にすぎない。戦闘機のエンジン技術はいまだに突破できないでいる。しかも内部の整備や安全面などにも多くの問題が存在する。だから戦闘機の事故で多くが死んでいる」
中共当局は対外的には香港への軍の派遣はしないと発表していますが、今回の事故からわかるように、当局はヘリコプターを使って鎮圧を計画していたことがわかると述べます。
香港の時事評論家 潘東凱氏
「ヘリを使うのは都市部に対する鎮圧の方法だ。しかし兵器の操縦に慣れていないため、多めの演習が必要になる。このような情報が伝い出された以上、彼らも対策を考えているのだろう。つまり群衆に対するコントロールだ。彼らは人間の命を全く尊重しないので、どんなことでもやりかねない」
潘さんは、香港は現在人道的危機に陥っており、国際社会からもっと関心を寄せて欲しいと呼びかけています。