中国で政治犯や良心の囚人の臓器が強制摘出され臓器移植に使われている問題で、11月29日、日本の国会で報告会が行われました。日本政府には、移植ツーリズムを停止する法律を早期に制定するよう求めました。
ここは衆議院第二議員会館前です。「移植ツーリズムを考える会」がここで臓器濫用を停止する法制定を促進する報告会を行いました。移植ツーリズムを停止する関連法律の早期の制定を望んでいます。
報告会ではNPO法人「移植ツーリズムを考える会」(SMGネットワーク)の野村旗守(のむら はたる)事務局長が、日本は移植ツーリズムを停止する法律を早期に制定すべきで、そのためにはメディアや国会が動かなければならないと指摘しました。
SMGネットワーク 野村旗守事務局長
「まずメディアが動かなければならない。それから国会が動かなければならない。国会のほうはこの間、参議院議員の山田宏議員が国会で初めてこの問題について鋭く切り込んで、という動きがあった」
台湾と韓国から参加した医師や弁護士がそれぞれ、自国における臓器濫用反対の動きにについて紹介しました。
台湾の人権弁護士、朱婉琪(しゅえんき)さんは、日本の国会議員と接触する過程で、多くの議員が日本での法制定の推進に積極的な姿勢を見せていると語りました。
台湾国際器官移植関懐協会法律顧問 朱婉琪氏
「今回の来日で日本の主流社会および国会議員と接触したが、中国の臓器狩りに憤りを感じており、法輪功学習者に対する迫害についてもよく知っていた。このような法律制定を促進するために国会議員が立ち上がろうとしている。日本国民が中国に渡航し臓器移植を受けることを阻止し、生きた人からの臓器摘出をやめさせることは社会全体が共に行うべきである」
台湾大学病院雲林分院の泌尿科主任で、台湾国際臓器移植関懐協会の副理事長を務める黃士維(こう・しい)医師は、中国における臓器移植の臓器の主な出所は法輪功学習者や政治犯、良心の囚人であると指摘します。
台湾国際臓器移植関懐協会副理事長 黃士維医師
「日本の国会議員、倫理界はこの議題を重く見ており、一部の国会議員は法改正を推進することで、日本の渡航移植の透明化を望んでいる。我々は共に中共の臓器移植技術濫用をやめさせるべきだ」
台湾国際臓器移植関懐協会の黄士維副理事長と呉育璘(ご・いくりん)国際部主任は28日、山本ともひろ防衛副大臣を訪問し、中国渡航移植を制止する法改正の要望を申し入れました。
山本防衛副大臣はTwitterで「検討の必要性を感じる」と投稿しています。
29日の国会報告会に続き、30日は日本、台湾、韓国からの司法、医療、メディアの専門家が集まり、東京大学で臓器濫用問題に関するシンポジウムを開催しました。