中国当局は国内外の人々の顔データを大量に入手して民衆を監視していますが、これにより社会に多くの問題が生じています。中国には現在、顔データの売買を行う「黒色産業チェーン」が形成されています。
中国メディアが最近行った調査によって、一部の販売者がひそかにインターネットで人の顔データを販売していることが明らかになりました。ある投稿者は、8元(約123円)で人の顔写真3万枚を購入できるとコメントしています。
ITコミュニティ、オンラインモール、百度貼吧(バイドゥー・ティエバ)などの複数のプラットフォームでも、多くの人の顔写真を無料、もしくは有料でダウンロードすることができます。販売者は性別や国籍、肌の色や撮影時の背景を問わずあらゆるものをそろえ、さらにユーザーに特定のシーンをカスタマイズすることも可能だと説明しています。
これについて中国のあるネットユーザーは、顔データの大量流出は一般のネットユーザーができることではないと疑問視しています。
中国のネットユーザー、郭さん
「これは政府から漏れた個人情報だろう。もしくは組織や機関かもしれない。彼らも顔識別データを利用して個人情報を漏洩できるからだ」
郭さんは、銀行や駅、バスステーション、高速鉄道駅といった場所ではすべて顔識別が行われており、特に電気通信会社は市民の個人情報を垂れ流し続けていると指摘しています。
中国のネットユーザー、馮さん
「こちらでは会社のタイムカードでも顔の識別認証を行うのは普通のことだ。以前は指紋認証だったが、一年ほど過ぎると顔の識別認証に変わった。私は抵抗がある。これを行うべきでないと感じたからだ」
中国のネットユーザー、馮(ひょう)さんは、当局は巨大な顔データベースを持っており、市民の個人情報の漏洩と当局は、切っても切れない関係にあると指摘しています。
中国のネットユーザー、張さん
「当局が注視している敏感人物については、系統立った文書が早くから作成されていた。顔識別だけでなく、その人物の血縁関係も含んでいる。一番恐ろしいのはその家族にまで『配慮する』ことだ」
中国で顔認証システムを開発した大華(ダーフア)株式先進技術研究院の殷俊(いんしゅん)院長は、顔認証によってすべての人の過去一週間の行動範囲を追跡できるほか、人と車のマッチング、血縁関係のマッチングを行うこともでき、さらに彼らが頻繁に接触する人との間のマッチングも行うことができると語っています。
中国共産党は現在、中国各地のいたるところに監視カメラを設置して市民の一挙手一投足を監視しています。市場研究機構IDCの報告によると、中共の監視カメラは2022年には27億台に達すると予測されています。これは国民一人に対し2台に相当します。