【動画ニュース】進む中共の民間企業支配 中国の民間企業創業者が続々と引退

中国民間企業の存続が危ぶまれ続ける中、多くの民間大企業の創業者が続々と引退を表明しています。多くの中国の民間上場企業に資金難による債務危機が生じ、そのうち40社はすでに政府部門への「身売り」を余儀なくされていると見るむきもあるなか、評論家は、中共は中国の民間企業を全面的に国のコントロール下に置こうとしていると考えています。

昨年下半期以降、アリババのジャック・マー氏、テンセントの馬化騰(ば・かとう)氏、百度の李彦宏(り げんこう)氏といった中国の民間大企業の創業者が続々と引退を表明しました。

中国メディアの新京報は12月16日、コンピューターメーカーのレノボ・グループの創始者、柳伝志(りゅう・でんし)氏が聯想控股(レジェンド・ホールディングス)の董事長を辞任し、引退を宣言したと報じました。その前の週にも物流企業「順豊エクスプレス」の王衛剛(おう・えいごう)董事長が辞職を発表しています。

台湾の起業家で社会運動家 高為邦氏
「大型企業で離職が相次いでいる。もちろん引退を強要されたのだ。特に杭州の企業百社には政府から代表が派遣されて管理が行われている。これは金が足りないから、民間企業に対し公私合営を行おうとしている」

台湾メディア「信伝媒(クレーデレ メディア)ウェブサイトは、中国の多くの民間上場企業の代表が株式を抵当に入れて借金したことで、経営が破綻して資金難や債務危機に見舞われ、現時点ですでに上場企業41社が国有資産監督管理委員会に売られたと報じています。

さらに、中共はこれを「国が民間企業を救済した」と美談にしているが、実際にはこの機に乗じて、民間企業に幹部の派遣と投資を行って、企業を経営管理する、いわゆる公私合営を進めているのだとも報じています。

湖北省鄂州市の民間企業家肖運軍氏
「彼らは国有化という手段を選択して党支部を設立する。大規模で名の通った企業は国か株式を占有し、中規模の企業、地元で一定の知名度のある企業に対しては、2018年から、「掃黒除悪(黒社会根絶)」の名の下、思いのままに抑圧や略奪を行っている。今年は1月から、税務調査という手段によってこれらの企業の資産をすっかり奪いつくすだろう」

湖北省鄂州市(がくしゅうし)の民間企業家、肖運軍(しょう・うんぐん)さんは、中共は民間企業を国有化し、政治闘争という手段によって、さまざまな理由をつけて民間企業を圧迫していると語っています。

湖北省鄂州市の民間企業家 肖運軍氏
「これらの大企業の誰もが危険を感じている。みな自分を守るためには引退するしかない、もしくはチャンスに乗じて出国する、つまり中国を離れるしかないと考えている。これが彼らの趨勢だ」

中国の金融データプラットフォーム「チョイス」の統計によると、12月9日までに支配権の変更を終えた上場企業はすでに188社を超えており、そのうち上場企業41社の代表が、個人から中国国務院国有資産監督管理委員会又は地方政府の国有資産監督管理委員会に変更されていました。これにより、国有資産の割合が23%以上に上りました。

このほか、12月中旬までに、少なくとも上場企業18社の代表が拘束されています。

台湾企業のシニアコンサルタント 田方宇氏
「実際にはこのことによって我々は、中共がすでに全面的にいわゆる『公有制、国有制』路線にかじを切ったことが理解できる。つまり国有経済の強化と民間経済の縮小、いわゆる「国進民退」のことでもある。これは『地主を倒して田畑を分けた』中共建国時と同じ状況だ」

台湾企業のシニアコンサルタント、田方宇(でん・ほうう)さんはこの状況について、米中貿易戦争の影響で中国経済が下降に転じたため、中共はすべての企業を国有化しようとしていると分析しています。

台湾企業のシニアコンサルタント 田方宇氏
「今のこの『地主を倒して田畑を分ける』の状況は、実は中共は早くから計画していた。中共はいくつかの段階に分けていたのだろう。第一段階は、中共がいわゆる構造性改革、つまり供給策改革を利用して、国営企業の損失を川下の民間企業に転嫁した。これが第一段階だ」

田方宇さんは、中共の第二段階は多くの民間企業に短期的な資金不足や株式の破綻が起きて、現金をどうしても必要としているときに、金をちらつかせることだと指摘しています。

台湾企業のシニアコンサルタント 田方宇氏
「第三段階は、これらの民間企業が短期的に現金を必要としているときに、中共が救世主のふりをして登場し、経営難に陥ったこれら企業の株式を安く買いたたき、この企業を買収・合併してしまうことだ」

中共が民間企業を支配する手段が今、「公私合営」に姿を変えつつあり、将来的に中国の民間企業は存続が難しくなるのではないかと憂慮する声もあります。

 
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