【動画ニュース】中共が人々のネットパスワードを一元管理 今年から暗号法が施行

中国人がソーシャルソフトを使用したりネットショッピングをしたりするたび、中国共産党当局がそれらのアカウントのパスワードを入手できるようになりました。中共当局が10月26日に成立させた、インターネットで使用されるすべてのパスワードを党が統一管理すると定められた『暗号法』が、今年1月1日から施行されています。この暗号法によって、インターネットパスワードに対する管理権を中国共産党が有すると定められ、罰則規定も設けられたため、民衆は従うしかありません。

中国でインターネットにアクセスする際にパスワードを忘れてしまったら、中国当局があなたの代わりにパスワードを保存することに十分注意する必要があります。

今年1月1日から、中国で『暗号法』が施行されています。これに基づき、中国全土で使用されるインターネットパスワードは、新たに設けられた国家パスワード管理局によって一元管理され、パスワードは、重要パスワード、一般パスワード、商業用パスワードの三つに分類されることになります。

中国国家パスワード管理局の李兆宗(り・ちょうそう)局長は、パスワードは党と国家の命綱であり、全力を挙げて『暗号法』を推進し、「中国の特色あるパスワード発展道路」を歩み、「中華民族の偉大な復興である中国夢(チャイナ・ドリーム)を実現するために新たな貢献を成す」と述べています。

時事評論家 唐靖遠氏
「彼らはインターネット暗号化情報に対する各種審査にあらがうものを徹底して排除しようと考えている。特に既存の通信ソフトの一部は、他国で開発されており、これらにはすべてエンドツーエンド暗号化が使用されている。そのため中共の審査機関はそれらの内容を直接獲得することはできない」

暗号法では、党がオンラインパスワードを管理する権利を有すると規定されており、中共当局は、「セキュリティホール」が存在する場合は「事前警告」制を構築し、「セキュリティホールの解消」をする必要があると発表しています。

時事評論家 唐靖遠氏
「これによって言論統制を行い、個人の行動を監視・制御できるうえ、反政府的な声をすべて排除できる。一般的なインターネット検閲は人々が公にした意見だけを検閲対象としているが、暗号法は個人間で行われる内輪の通信内容にもフォーカスする。つまりこうした方式を通じて、家族間の通信や商業秘密なども含むすべての人のメールや、過去に個人の秘密とみなされたすべての情報を検査することに等しい。これらすべてが、政府の前では一方通行で透明化される」

暗号法に抵触した場合は刑事責任も発生し、刑事処罰が課せられるほか、民事でも最高100万元(約1580万円)の罰金が科せられます。

中国問題研究家 張健氏
「ネット上でパスワードを使用する重要性は誰もが知っている。このような前代未聞の法律を中共が施行した。つまり世界でいまだかつてない悪法が成立したと言ってよい。それでもまだ、中共は人民の福利を考えていると主張する人民や、中共政権に対しほんのわずかでも信頼感を抱いている人民がいるとしたら、絶望を禁じ得ないだろう。あなたの所有物、あなたのパスワード、ソーシャルメディア上のすべてのものを、中共があなたに替わって保管するのだ」

中共は暗号法を成立させる前からビッグデータを通じて効果的に人民の監視を行ってきたにもかかわらず、暗号法も成立させたのはなぜなのでしょうか。

中国問題研究家 張健氏
「このような法的根拠ができたら、彼らはさらに大手を振って人民を迫害するだろう。だが一方で彼らは多くの人に対し『暗号法ができたぞ。我々は、お前たちの言動を監視制御するからな』と伝えているとも言える。この悪法が施行されるとまずは、どんな職種であろうが中国に暮らしているだけで、人々が拘束、迫害、圧迫される。中共はおそらく、人々が中国製のソフトウェアを使っていれば、中国の暗号法で使用者を監視する可能性がある」

暗号法はデジタル通貨やブロックチェーンの普及に関係していると考える人もいます。米国在住の時事評論家、唐靖遠さんは、中共はブロックチェーンを整備するため、コントロール下に置けないブロックチェーン企業を取り締まる計画を立てていると考えています。

時事評論家 唐靖遠氏
「ブロックチェーンやビッグデータといった応用シーンの中で、パスワードは不可欠だ。ブロックチェーンには削除も変更もできないという特徴がある。中共はこの点も大きな隠れた危険性だと認識している」

インターネットが人々の生活に深く関わっている今、中共が暗号法を成立させたことで、ネットワーク制御に対する人々の想像を打ち砕きました。

時事評論家 唐靖遠氏
「現在、多くの国が顔認証を始めとする中共のインターネット監視技術を導入している。一帯一路などの手段によって国際社会に広く拡散されている。中共はおそらく、暗号法などの一連のツールを使って、すべての民主主義国家に深刻な情報セキュリティ問題を引き起こそうとしている」

中共の憲法には「自由」という言葉が13回記されており、憲法は国民の通信の自由を保障し、通信の秘密は侵害されないと定められていますが、暗号法の施行後は、この「自由」はもはや、「自由」ではなくなるでしょう。

 
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