世界保健機関がこのほど、武漢で発生した肺炎に「2019新型コロナウィルス」と正式に命名しました。台湾衛生福利部疾病管制署は調査のため、専門家二人を中国に派遣しました。
中国の湖北省武漢市で相次いで発生している肺炎は新型コロナウィルスであると確定されました。中共当局は、10日までに41人が発症し、うち7人が重症で、11日には初めて死亡者が出たと発表しています。
中共政府が発表したウィルス遺伝子配列データに基づき、台湾衛生福利部疾病管制署は、今回の新型コロナウィルスはコウモリ由来で、SARSと79%の類似性があると大筋で判断しました。最短で一週間以内にウィルス核酸迅速検出が完了する見込みです。WTOもこの肺炎の正式名称を「2019新型コロナウィルス」(2019-nCoV)と決定しました。
台湾衛生福利部疾病管制署、羅一鈞署長
「今回、命名に武漢という地名が使用されず、2019という年号が採用された。恐らくこれ以降、新型コロナウィルスを命名する際には地名ではなく年を使用するのが慣例になると思われる。するとこれ以降、人々がそのウィルスはその地方にしかいないと誤って認識するのを防ぐことができる」
疾病管制署は調査のため、すでに専門家二人を少なくとも二日間の日程で武漢に派遣しており、詳しい状況については専門家の帰国後に説明することになると発表しています。武漢市の肺炎に類似する症例は、現時点で台湾、香港、マカオ、タイ、韓国など6か国で確認されていますが、中国以外の国ではまだ診断が確定されていません。
台湾衛生福利部疾病管制署、羅一鈞署長
「台湾国内でも疑わしい症例がまた一つ見つかった。一月初めに武漢を旅行し、中旬に帰国してから数日後に発熱したため病院で検査を受けたところ、肺炎ではなかった。しかし現在、陰圧隔離病棟での治療を準備中で、できるだけ早くこの症例の検査をするつもりだ」
疾病管制署は、新たに増えた疑わしい症例について今のところ、2019新型コロナウィルスにり患しているリスクは高くはないと判断しているとも発表しています。しかし同時に、旧暦新年を迎えているので、手洗いとマスクの着用を忘れず、人込みを避け予防措置を講じるよう呼び掛けています。