中国の湖北省武漢市で新型コロナウイルスによる肺炎が相次いでいますが、武漢市当局は20日、18日と19日の2日間に、新たに136人の感染が確認され、そのうち一人が死亡したと発表しました。このほか、北京や深センでも感染が確認されています。
今回、武漢で発生している新型肺炎ウイルスは2002年から2003年にかけて中国で発生し、爆発的に蔓延した重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルスとの類似性が指摘されています。当時、中国当局が発表した死亡者数は約800人ですが、実際の死亡者数ははるかに多いと指摘されています。
今回の新型コロナウイルスによる肺炎はすでに周辺国にまで広がり、タイ、日本に続き、韓国でも20日、武漢から19日に入国した中国籍女性の感染が確認されています。
武漢市の保健当局は20日、18日と19日の2日間に、新に136人の感染が確認され、そのうち一人が死亡したと発表しました。武漢で確認された患者は198人に上り、9人が危篤状態、35人が重症だとのことです。
武漢のほか、北京で2人、深センで1人感染が確認されたほか、浙江省でも5人が感染の疑いがあると発表しました。
香港では106人が発熱などの症状を訴えており、経過観察の措置をとっていますが、感染はまだ確認されていません。
英国の大学「インペリアル・カレッジ・ロンドン」の感染症の専門家チームが1月12日、武漢とその周辺の人口、および海外で発見された患者の数と武漢の国際空港から海外に旅行する人の数などから、新型コロナウイルスによる患者は1700人以上に上る可能性があると推計しました。
香港市民 CEANN WONGさん
「日本から戻ったが、日本でも感染例が確認されたので、ちょっと心配だ。香港の多くの人が危惧していると思うが、このニュースはあまり広く伝わっていない」
香港市民 TOM SZEさん
「2003年のSARSは、今の武漢と似ているので、心配している。武漢ではすでに2人死亡したと聞いたから」
1月25日は旧暦の新年で、すでに帰省ラッシュが始まっています。毎年億単位の人が交通機関を利用するため、感染の一層の拡大が懸念されています。