北京の故宮博物院内部に若い女性がベンツで乗り入れた事件が、中国で物議をかもしていますが、この「ベンツ女」の素性をネットユーザーが突き止めたことが話題になっています。
北京のナンバープレートをつけた黒のベンツGクラスに乗った女性二人が、故宮博物院の閉館日に太和門広場に乗り付ける様子が1月17日、中国最大のSNSウェイボーのアカウント名「露小寶LL」に投稿されました。
故宮博物院への車両の乗り入れは数年前から禁止されており、2013年4月26日に故宮を訪れたフランスのオランド大統領(当時)も、故宮の南側に位置する午門(ごもん)で下車し徒歩で入りました。
故宮博物院はこの件に関し謝罪しましたが、なぜ車両の進入が許可されたのかについては口を閉ざしています。
中国のネットユーザーは「故宮ベンツ女」の素性を調べ上げ、ベンツの持ち主「露小寶LL」の本名は高露(こうろ)で、共産革命に参加した老幹部の孫の嫁、いわゆる「紅三代」だということを突き止めました。さらにある人物はこの女性「露小寶LL」が以前に投稿した「私は中国共産党の長老、何長工(か・ちょうこう)の内孫の嫁、国家旅行局元局長の何光煒(か・こうい)の息子の妻だ」との一文を探し出しています。
ネットユーザーらはさらに、この女性が以前にSNSに公開した豪華な自宅や高級車、高級腕時計などの画像も探し出しました。この女性は1月19日にもインスタグラムに贅を尽くした自宅の様子を投稿しており、米国カリフォルニア州のニューポートビーチに1184万ドルの豪邸を所有していることも明らかになりました。
ネットユーザーらは、今回の件は中共政権が打ち立てたいわゆる「原則」と「標準」が、権力の前に消え失せたことを反映していると考えています。さらに別のネットユーザーは、当局に対し「新年に腐敗撲滅運の一発目をぶっ放せ」と直言しています。