明治大学が香港の逃亡犯条例改正反対運動(反送中運動)に参加中の青年リーダーを日本に招き、1月26日に報告会を行いました。リーダー二人は香港市民の求めている五大要求と、香港が現在直面している迫害について述べ、日本の研究者は、日本の若者に中国で今起きていることについてもっと関心を持ってもらいたいと語っています。
記者
ここは御茶ノ水にある明治大学の駿河台キャンパスです。明治大学現代中国研究所が香港反送中運動の青年リーダーを招き、反送中運動で香港の若者たちが直面している危機と解決法を討論しました。
会場ではまず、明治大学現代中国研究所の所長・鈴木賢(すずき けん)教授が、反送中運動の概略を説明し、その後、香港の民主派組織「民間人権陣線」の陳皓桓(フィーゴ・チャン)さんと岑子傑(ジミー・シャム)さんが、反送中運動の経過について詳細な報告を行いました。この運動で香港市民から提示された五大要求は今も完全な実現には至っておらず、多くの香港人が逮捕されたり行方不明になったりしていると訴えています。
陳皓桓(フィーゴ・チャン)さんは、1989年の天安門事件、23条立法反対運動、雨傘運動、反送中運動の共通点を挙げ、民衆は自由と民主主義を求めたが、例外なく中国当局からの鎮圧と迫害に見舞われたと述べています。
民間人権陣線の副代表、陳皓桓さん
「中共は本土で多くの人を拘束しているが、彼らは香港人だ。我々が独立した調査委員会の設置を求めている理由はここにある。政府は多くのデータを集めているが、彼らはこれを他に漏らさないし、香港市民にも伝えない」
彼らは反送中運動が世界から注目される中、日本からの支援を求めていると訴えました。
民間人権陣線の代表 香港沙田区議会議員 岑子傑さん
「私たち一人ひとりが、他の人の人権も支持しなければならないと私は感じている。なぜなら今、他の人の人権が侵害されているが、次は自分の番かもしれないからだ」
反送中運動の最前線からの報告を、日本の研究者も注目しています。
東京大学 阿古智子准教授
「中国は日本の隣国ですから、同じ価値観を共有できない国が隣にあるということは、いろんな問題が生じてしまう。隣国の問題も自国と同じように色々な面で一緒になって考えていけるように、若い人たちにもっと関心を持ってもらいたい」
報告会の終了後、会場では参加者と香港の青年リーダーとの間で、活発な質疑応答も行われました。