カナダ在住の中国人男性が、武漢に住む母親が新型コロナウイルスによって高熱を出したが治療を受けられず、実家の食べ物も底をつきそうで絶望を感じていると明かしました。この男性は、中国政府が何の手も打たないことが、感染が広まった主な原因だと痛切に批判しています。
武漢出身で現在はカナダに住む王さんの72歳の母親、余(よ)さんは1月15日から40℃の高熱を出したため、19日に武漢第四医院救急外来でCT検査を受けたところ、「両肺に感染による病変が認められ、治療後の再検査を推奨する。肝臓内にのう胞性病変が多発」と診断されました。父親はこの高熱を普通の発熱だと考えていたため、高熱が数日間続いてようやく息子に電話したといいます。その電話で王さんは、母親が新型コロナウイルスに感染していることを知りました。
カナダ在住の王さん
「そこで(武漢にいる)親戚に尋ねてみた。親戚(の仕事)も病院関係だ。彼はCT検査報告を見て私に、これは武漢新型肺炎に間違いないだろうと言った」
母親は病院で注射三本を打たれた後、自力で帰宅しましたが、高熱が12日間続き27日には食事をとることも起き上がることもできなくなりました。王さんの父親もこの二日間発熱し、自宅の食べ物も尽きようとしています。近所のスーパーマーケットは休業中で、集合住宅一階の売店にも何もありません。王さんは病院などの関連部門に連絡しましたが、母親を入院させることはできませんでした。
カナダ在住の王さん
「どのような回答にも対処のしようがない。病院のベッド数も足りず、すべての病院で数えきれないほどの人たちが順番待ちをしている。地域の管理員が唯一の政府指定重症患者相談窓口だが、彼らの回答も私には対処のしようがない」
王さんは十人余りの友人に電話で助けを求めましたが、市内の交通がストップしているため、手を貸してもらうこともできないと言います。王さんは母親と接触した何人かは、自身の親戚を含め新型コロナウイルスに感染した可能性があると考えています。
カナダ在住の王さん
「私の母親のようなケースは武漢に掃いて捨てるほどあるだろう。もっと大きな問題は、政府が何もしないことだと感じている。武漢の人たちは今、十分な食べ物もなく医療体制も整わない状況に置かれたまま、都市が封鎖されている。彼ら(中共)はこの責任を負わないだろう」