蘇州の公安が企業に再開強要「感染者が出たら人を入れ替えればいい」

武漢から始まった新型肺炎の蔓延は中国経済に大きなダメージを与えています。中共当局は各地に企業の操業再開を命じています。中国の民衆によると、江蘇省では警察が台湾企業に対し、「感染者が出たら人を入れ替えればいい、人ならいくらでもいる」と暴言を放ち、再開を強要しているとのことです。

上海市民の張さんが先日「希望の声」国際ラジオ局のインタビューで中国経済はすでにひどく落ち込んでおり、企業がこれ以上操業を再開しないと、現政権は崩壊するだろうと述べました。

また、張さんの娘によると、江蘇省蘇州市の一部台湾企業は生産の再開をためらっています。理由は、再開後万が一感染者が出た場合のための保証金のようなものを先に支払わないといけないからです。保証金の支払いを拒んでいる一部の台湾企業には、現地の警察が押しかけ、再開を強要しているといいます。さらには、「感染したとしても何が怖いのか?感染した人を隔離して、新しい人を入れればいい。人ならいくらでもいる」と言い放ったそうです。

これに対し、江蘇省の住民、葉(よう)さんは、共産党は中国人の生死など眼中にないと憤慨します。

江蘇省の住民 葉さん
「共産匪賊にとって、庶民は働くための道具に過ぎず、生死など眼中にない。働かなければ、使う金がないからだ。今でも数億元規模の大量の投資を行い、至る所でインフラ建設をやっている」

北京の人権活動家、胡佳(こか)さんは、警察のこの言葉は規則違反であると示します。

北京の人権活動家 胡佳さん
「警察のこの言い方は規則違反だ。政府であっても、再稼働による感染が発生すると責任を取らされる。例えば刑務所で感染が発生すると、刑務所長や司法局も一緒に処罰される。だからこのことにおいては、彼らはあまり大きい声で言えない。これは企業の責任だと彼らが言うのなら、それは規則違反だ」

企業が操業を再開してから2週間あまり経ちましたが、すでに14件の集団感染が発生しています。3月4日には、安徽省合肥市(ごうひし)のある企業で、従業員の武漢新型肺炎の感染が確認されたため、177人が隔離され、操業を再度ストップしました。

北京の人権活動家 胡佳さん
「すでに集団感染が発生している。操業再開を1日遅らせるだけで、GDPの損失は2000億元以上だ。当局の財政収入がなくなり、庶民からかき集める金がなくなると耐えられなくなる。治安維持と官僚の高額な支出に大金が必要だからだ」

経済を刺激するため、当局は企業に操業再開を強要すると同時に、一連の大規模インフラ建設計画を打ち出しています。すでに8つの省と市が重要な投資プロジェクトを公表しており、その投資総額は25億元(約380億円)に上ります。一方専門家は、景気刺激策をもって現下の感染症による危機に対処しても効果はないと指摘しています。

 
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