武漢肺炎は中国から世界に蔓延し、すでに100を超える国や地域で感染者が確認されています。うち、感染者の多い国ほど、政治と経済の面において中国共産党と繋がりが深い国であることに人々は気づいています。この背後には深い原因があると、専門家は指摘しています。
中国以外で武漢肺炎の感染状況が深刻な国は、イタリア、韓国、イランなどです。専門家はこれらの国は中国共産党との関わりが深いため、中共の話を信じ、あまり防備しなかったと指摘します。
香港浸会大学ジャーナリズム学部講師 呂秉権氏
「これらの国は中国との関わりが深いため、ほとんど防備しなかった」
中国以外で感染者と死亡者数が最も多いのはイタリアです。イタリアは主要7カ国(G7)の中で、最初に中国共産党の一帯一路に参加した国です。中国とは警察を派遣し合い、イタリアの街頭で中共の警察が勤務する光景まで見られ、議論を巻き起こしました。報道によると、イタリアが中共と急接近した原因の一つは、イタリアのブランド品を中国市場に売るためでした。しかし、この政策によってイタリアは自分の首を締めることになりました。
ラジオ・フランス・アンテルナショナルは、イタリアのファッションブランドの多くは中国浙江省温州市から来た移民が作っており、温州は中国で湖北省の次に武漢肺炎の感染が深刻な地域の一つであり、一部移民によってウイルスがイタリアに持ち込まれたと指摘しています。しかしイタリアは、メイド・イン・イタリアが実は中国人移民の工場で作られていることを知られたくないため、感染源について言及するのを避けています。
中国の隣国、韓国では、ムンジェイン大統領が親中共路線を貫いているため、感染が爆発的に増えているにもかかわらず、中国からの入国制限をしませんでした。このことは国民の不満を買い、大統領府のホームページでは大統領の弾劾を求める国民請願署名が行われ、146万9千人が署名しました。請願書には「今回の感染症に対するムン大統領の対応は、韓国の大統領ではなく、まるで中国の国家主席であるかのようだ」と韓国での感染拡大を容認した大統領の対応を非難しています。
イランの感染状況も深刻です。イランは2016年に中国共産党と長期的な戦略パートナシップを結び、中国から各種禁輸製品を輸入すると同時に中国に原油を輸出することで、外貨を稼いでいます。そのため、中国で感染が爆発的に増えていても、中国間の航空便を完全に停止せず、2月末の時点でも中国の4つの都市の間で運行を続けていました。ドイツの国営放送局「ドイチェ・ヴェレ」は、イランは明らかに中国共産党との関係を維持するために、新型コロナウイルスがイランに持ち込まれるのを許したと報じています。
時事評論家 橫河さん
「これらの技術上の不足は、遡れば政策にたどり着く。現在感染が深刻な国のほとんどが中共と関わりの深い国だ。これらの国は、中共に対する政治上経済上の需要が、感染の制御の需要を超えている。また一部の国は中共のデマを見抜くことができていない。あるいは意図的に見て見ぬふりをしている」
一方、中国の目と鼻の先にある台湾はこれらの国とは違う対応を見せています。台湾政府は中国本土からの各種浸透工作と金銭的な誘惑に抵抗し、中国共産党と一線を画しています。米国のジョンズ・ホプキンズ大学は1月末に、台湾は中国本土以外で感染リスクが最も高い国になるだろうと予測しました。一方、台湾政府は1月末から 感染地域からの航空便に対して搭乗前の検疫を実施し、2月初めからは厳格な入国制限令を発動しました。3月10日現在、台湾での武漢肺炎の感染者は47人で、他の親中共路線をとっている国に比べ遥かに少ないのがわかります。
時事評論家 橫河さん
「台湾のこれらの措置はどこの国よりも早く、中共に対してはっきり認識しているからそれができた。台湾はおそらく、2003年のSARSから教訓を汲み取った唯一の国だろう。ゆえに十分な準備をしていて、それが今回役に立った。台湾はWHOから排斥されているので、自国に頼るしかなく、そのためWHOのミスリードの影響を受けず、当然中共の宣伝とデータも信じていない。これらによって、台湾は全ての資源を確保し、タイムリーに疫病に対処することができた。台湾の経験は世界に、中共をはっきり認識し、中共と決別することこそが、感染予防の根本であることを教えてくれている。つまり自分の力で努力する人には、天が援助を与える」
グローバル化が進む中で、一国の判断ミスが全世界に影響を与えることを防ぐためにはどうするべきか、各国の政治的判断力と決断力が試されています。