内部告発者に「笛」を渡した医師 当局は取材記事を封殺

中国の雑誌「人物」は近日、武漢肺炎の発生を最初に外部に伝えた「内部告発者」として知られている李文亮医師の同僚で、武漢市中心医院急診科主任の艾芬医師のインタビュー記事を掲載しました。この記事は習近平主席が武漢を訪れた日、中共当局によりブロックされました。しかしネットユーザーらは様々な表記を用いて記事を転載し、中共の言論統制に対抗しています。

昨年12月30日、艾芬医師は原因不明の肺炎に感染した患者のウイルス検査報告書を撮影し、「SARSコロナウイルス」という文字に赤い印をつけて同級生や同僚に送信しました。

李文亮医師が同級生のグループチャットに送ったウイルス検査報告書は、まさにこの艾芬医師が送信したものだったのです。これにより艾医師は「内部告発者」に「ホイッスルを渡した人」と呼ばれています。

1月2日、艾医師は病院の規律検査委員会に呼び出され、「今までにない厳しい叱責を受け」ました。病院側は肺炎に関する言及を禁止し、「ご主人にも話してはならない」と口止めしました。

インタビューの中で、艾医師は「今日の状況になるとわかっていたら、彼らに批判されようが何されようが、あちこちで言いふらしていたのに」と、告発を続けなかったことへの後悔の意を繰り返し述べています。

この記事は掲載後、瞬く間に10万回閲覧されましたが、2時間後に中共当局により削除されました。しかしネットユーザーらは、記事をドイツ語やベトナム語など、様々な言語に翻訳したほか、甲骨文版や金文版、手話版など36種類を作成し、ネット上で広く転載しています。

中国の映画監督、葉大鷹(よう・だいおう)氏はウェイボーで「投稿を削除するのはファシズム行為であり、白色テロだ。医師でさえ真実を話すと命が危険にさらされてしまう、功績を称えることしか許されない社会に、他にどんな幸福指数があるというのだろうか」と述べています。

その後、葉大鷹氏の投稿も削除されました。

 
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