武漢肺炎ウイルスは中国から世界に拡散し、各国で感染者が爆発的に増えています。 WHO(世界保健機関)は3月11日になってようやく、「パンデミックと言える」と宣言しました。一方、中国当局による感染者数は減少を続け、発生源である武漢市ではすべての方艙医院を閉鎖しました。しかし、退院した患者が再検査で再び陽性を示す事例が少なくありません。
官制メディアの人民日報は、武漢方艙医院では「ゼロ感染、ゼロ死亡、ゼロ再発」を実現したと報じ、3月10日には全ての方艙医院を閉鎖しました。しかし武漢市江岸方艙医院に務めていたある職員は3月4日付けの澎湃新聞において「江岸方艙医院は『市感染防止指揮部門の最新の通報によると、最近退院した患者のうち複数に再発がみられ、再入院を必要とする場合もある』と記された『緊急通知』を発したと証言しています。
退院したばかりの馬さんは、他地域から正月休みを家族と過ごすため武漢に帰省したところ一家全員がり患したといいます。病院は、2回の核酸検査のいずれも陰性で、肺のCTで改善が見られれば退院できると規定しているとのことです。馬さんは2週間の入院生活で退院基準を満たし、退院から14日間は観察拠点で隔離されると語っています。
武漢肺炎患者 馬さん
「病院内では漢方薬の飲み薬の服用が主で、退院後14日間の観察期間を要する。私が今いる観察地点はすでにいっぱいだ。ここでは毎日体温を測り、漢方薬も出される。観察期間が終わる二日前に、CTと核酸の再検査をすれば帰宅できる。陽性反応が出た人がいるらしい」
武漢大学人民医院の呼吸器・重症医学科副主任で副教授の張旃(ちょう・せん)医師は、「我々の退院基準は緩すぎる」と指摘しています。張旃医師が2回の検査のいずれも陰性を示した44人の病院スタッフに対し、核酸検査を複数回実施したところ、3回目の核酸検査で44人のうち26人に陽性反応が出たためです。武漢市以外でも、四川省成都市、広東省、江蘇省徐州市などでも、退院患者が再度陽性を示すケースが見つかっています。
武漢市民の王さん
「退院基準が緩すぎると言わざるを得ないだろう。2回の核酸検査で陰性が出れば退院してよいとされているが、実際には2回目を終えて3回目の検査で陽性が出る人が多い。つばを検査しても陰性だろうが、便検査で陽性が出る可能性もある。このウイルスはよく突然変異を起こしている」
36歳の武漢肺炎患者、李亮さんは2月26日に方艙医院を退院し、指定の健康回復拠点で隔離された後、3月2日に突然死亡しました。複数の中国メディアがこの件を報じましたが、その後すべて削除されています。退院患者が再度陽性反応を示すケースが続き、死亡者も出たことで、武漢市民は高い危機感を抱えています。
武漢市民 王さん
「武漢の封鎖がすぐに解除されることはないと思う。このままだと、感染による災害はますます増えるだろう。2か月も3か月も仕事のない状態が続くと、都市生活を送るのが難しくなる。家賃や住宅ローン、自動車ローンを支払いながら家族も養わなければならない。気が狂いそうだ。こうした状況が続くことを非常に心配している」
中共当局がこのほど発表した「新型コロナウイルス肺炎診断プラン(試行第七版)には、科学研究チームが発見した武漢新型コロナウイルス肺炎が突然変異し、感染力が高まったほか、肺、脾臓(ひぞう)、心臓、肝臓、腎臓などその他の臓器にもダメージを与えると記されています。