中共の「戦狼的外交」に反発 チェコなどが中国大使の退去要求

中共の「戦狼的外交」に対する反発が相次いでいます。昨年12月、スウェーデンの二つの政党の国会議員らが中国大使の国外退去を要求し、米国政府も昨年9月に中国の外交官2人を国外退去させました。ロイターは先日、中共政府がチェコ共和国議会上院議長の台湾訪問を妨害したことに反発したチェコの首相と野党党首が、次々と中国大使の交代を要求したと報じています。中華民国外交部は、これは中共の進める「一帯一路」がただの略奪的政策手段にすぎないことを表していると述べています。

チェコのアンドレイ・バビシュ首相はこのほど、中国政府はプラハ駐在大使を交代させるべきだと述べました。中国大使館は1月、台湾に圧力をかけるため、チェコ大統領府を恫喝する書簡を送っていました。バビシュ首相はこれは絶対に受け入れられないと強調しています。

中華民国外交部 欧江安報道官
「中共は経済や貿易を利用する手段でチェコ政府に台湾との交流を止めるよう恫喝していることが分かった。また中共が『一帯一路』を通じて世界中に影響を及ぼしていることが、チェコ政府と国民から広く反感を買うことになった」

今回恫喝の対象となったのは、大統領に次ぐ権限を持つ、上院議員のヤロスラフ・クベラ上院議長でした。クベラ上院議長が在任中、チェコ上院は2019年3月に法輪功、キリスト教徒、ウイグル人およびチベット人を支持する131号決議案を通過させ、政府と大統領に中共に迫害の停止と良心の囚人の釈放を求めるよう促しました。

ヤロスラフ・クベラ上院議長(2019.10.10)
「私が台湾の建国記念日に参加するのはこれが初めてではない。お招きいただき感謝申し上げるとともに、台湾のみなさまの御健勝をお祈りする。台湾人の勤勉さによって挙げられた成果に感銘を受けている。心より祝福する」

ヤロスラフ・クベラ上院議長が今年2月の訪台を予定していたところ、中共の張建敏(ちょうけんびん)大使が1月10日、チェコ大統領府に宛てて、同議長が訪台した場合は中国国内のチェコ企業に対し報復措置を取ると記された書簡を送りました。その後1月20日にクベラ上院議長が突然死去し、新たに上院議長に任命されたミロシュ・ヴィストルチェル氏は2月下旬、訪台については検討中と表明しました。

中華民国外交部 欧江安報道官
「中共はチェコの経済と政治に圧力をかけた。このことで『一帯一路』は政治的目的を備えた中国側の略奪的政策手段であり、世界の貿易秩序に悪影響を与えるだけで、建設性をそなえてはいないことが十分に証明された」

チェコの首都プラハは、中共の対台湾政策を理由に昨年10月に北京市との姉妹都市提携を解消し、台北と姉妹都市を提携しました。プラハのズデニェク・フジブ市長はこれまでも中共の圧力に屈することなく、台湾政府高官の退去を拒否しています。また同氏は、世界は臓器の強制摘出問題について非常に強烈に反応すべきだと公言しているほか、プラハを民主主義と人権を尊重する道へと引き返させると約束しています。今年1月には書簡を出し、中共のような危険で信頼性の低い政権と密接なパートナーシップを構築すべきかどうかについて、EU諸国に疑問を投げかけました。

プラハのズデニェク・フジブ市長(2019.10)
「ビロード革命から30年たった今、我々はこの会議で、民主主義と自由を提唱する」

2019年10月、中華民国外交次長は総統特使としてプラハを訪問し、フォーラム2000で公開講演を行いました。またチェコ・ラジオは2月17日、チェコ市民の2/3が、中共の反対に遭っても、台湾との関係の強化を支持しているとの世論調査の結果を報じました。

中共の「戦狼的外交」は多くの国で酷評されています。2019年12月、スウェーデンの二つの野党の議員らが、スウェーデンを公に脅迫した桂従友(けい・じゅうゆう)中国大使を国外退去させるよう要求しました。米国政府も昨年9月、中国外交官2人を国外退去させました。これは30年ぶりのこととなります。

 
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