予感は時々夢として現れ、時には直感として現れることもあります。そういった予感は自分の危険の場合もあれば、親族の場合もあります。遠方にいる親族に不幸があったりすると、自分の体に何らかの反応が起きる人さえいます。人々はこの神秘的な予知能力を第六感と呼んでいます。
1912年のタイタニック事故や1966年の英国アバーファン崩落事故から911事件まで、これらの大災難の後に、多くの人がその予感を感じていたといいます。
1966年10月21日午前、英国南ウェールズの小さな村では連日の大雨による土砂崩れで炭鉱が崩落し、石炭混じりの雨水と石が崩れ落ち、地元の小学校と民家20棟を飲み込みました。遭難した144人の中、116名は8〜10歳の小学生でした。
この小学校の生徒だった8歳の女の子エリアちゃんは、この崩落発生の前日、母親にこう言いました。「ママ 昨日見た夢を聞いて」
「今そんな時間はないわ、後にしてね」と母親。
女の子はしつこく母親に頼みました。「ダメよ ママ 今聞いて欲しいのよ。学校に行った夢を見たんだけどね、学校は黒いものに覆われて消えたの!」
英国心理学者バークさんはこの事故を予知した夢を76件集めました。そのうちの24件は、当人が親戚や友人に話したことで、それぞれの親戚友人に確認済みです。
歴史において、自分の死を予見した実例も少なくありません。アメリカ大統領のリンカーンもその中の一人です。その他、エルヴィス・プレスリーやマイケル・ジャクソンなどがいます。
現在の心理学研究では第六感を感じるのは、身内が災難に見舞われる時、またはその災難が来る直前によくあります。米作家のマーク・トウェインは夢の中で弟の葬式を見ました。当時23歳の彼と弟のヘンリーは川を走る船ペンシルベニア号に乗る予定でした。マーク・トウェインは船の運転の見習いで、弟は職員でした。出航前夜、彼は他人の背広を着た弟が金属製の棺の中に横たわっている夢を見ました。束ねた白いバラを胸の前に添えられ、一本の赤いバラがその中に混じっていました。目が覚めた彼はあまりのリアルさに悲しくなりました。家族は彼に忘れるようにと勧めました。ただの夢だと彼も自分に言い聞かせました。
のち、兄弟は乗船しましたがマーク・トウェインは気性の荒い航海士と衝突し、別の船に移動させられました。彼は弟と別れる前に緊急事態時の応急措置について話し合いました。当時、航海中にボイラが爆発するのは日常茶飯事でした。その後、ペンシルベニア号のボイラは本当に爆発したのです。数日後、弟はメンフィスで亡くなりました。ある女性は貴重な金属製の棺を寄付しました。1858年6月21日、マーク・トウェインは自分の見た夢が現実になったことを経験しました。
弟は他人の背広を身につけています。悲しんでいると、ある女性が白いバラのブーケを持って近づいてきました。彼女は花束を弟の胸に置きました。花束の中に赤いバラが一本混じっていました。この経験はマーク・トウェインの思想と創作に強い影響を与えました。
元米ファーストレディーでヒラリーさんの衛生医療改革チームメンバーのラリー・ドッシー博士は著書の『予感がノックした時』でこのような実例をたくさん収録しています。例えば、ある母親は飛行機がビルに突っ込む光景を予見したため、9月11日に一家でディズニーへ飛ぶ飛行機をキャンセルしました。また著書『体の治癒を超えて』でも次の実例を上げました。ある母親が娘に手紙を書いていると、突如、右手が火傷を負ったような痛みを感じました。彼女はペンを置いたら電話がかかってきました。その電話は娘が実験中、右手が酸性の液体でひどい火傷を負った知らせでした。
米精神病学者のベルナード・ベイトマン博士は他人の苦痛を感じ取られるのは双子または親族に多く起きると指摘しました。1950年代の研究によると、事故が発生する列車の乗客数は往々にして、その1週間前の乗客数に比べて少ないといいます。911テロ事件の時 ビルに突っ込んだ4機も空席率が高く 平均乗客率は21%でした。
歴史学者によるとタイタニックが出航する直前に約50名の乗客がキャンセルしたと指摘しています。実際、この世紀の船の大災難が起きる前に嫌な予感がしたと親族に告げた乗客は多くいたと言われています。例えば、一等航海士のヘンリ・ウェルドは遭難する前に妹に送った手紙で「やはりこの船を好きになれない、変な感じがするのだ」と書いていました。手紙は船が最後に停泊した港アイルランドで投函されていました。
メイドのアニー・ウォードは乗船前に母親にもう船に乗りたくないと告げました。しかし、この恐怖感はどこから来るのか説明できないと言っていました。
幸運にも生存した7歳の女の子アイワ・ハートは、母親が遭難することを恐れて毎晩寝ないようにしていたと言います。
科学研究ではいまだに人間の予感はどこから来るのかを探求できなくても研究者らは第六感は命の危険と関連していることに気づいています。ラリー・ドッシー博士はこれらの直感には目的があると言います。
「主に命を救うように示すために現れたのです」。彼は「もし命が脅かされることが分かれば、それを避ける機会があります」と書いています。
では どんな予感なら厳粛に接すべきなのでしょうか?ドッシー博士の観点からすると、生死と健康に関連する第六感が現れた時、または、リアルに実感した夢でも実際に警告の意味を持っているのだと言っています。