福建省が新卒者600人の農村動員モデル活動に着手「文革時代に後退するのか」

中共ウイルス感染拡大のため、中国では870万人の新卒者を含む約2億人以上が失業の危機に直面しています。そのため、福建省と貴州省では大学生の間で、毛沢東時代の上山下郷運動を推進しています。

福建省の政府系メディアは4月14日、『福建省2020年大学・専門学校卒業生「3サポート1支援」計画実施プラン』の公布を報じました。これは、2020年に募集した約600人の大学・専門学校卒業生を、郷鎮の「教育、農業、医療のサポートと貧困支援」に従事させるもので、期間は2年間とし、期間が満了すると「自主的に終了する」と規定されています。

中国に住む危さんは、「3サポート1支援」計画とはつまり、新卒者の就職問題を解決するためのものだと指摘しています。

中国在住の危さん
「失業が増えたので、大学生を農村に行かせようとしているのだろう」

4月18日、貴州省銅仁市の「大学生帰郷」モデル活動の現場を撮影した動画がインターネットに公開されました。農地の一角で青年男女が農具を手にしており、政府職員が「大学生帰郷」モデルについて説明しています。

この動画を見たあるネットユーザーは、「大学の卒業生を農村へ動員している。農民工の帰郷モデルプロジェクトは貴州省銅仁市ですでに実施されていたのか!」と投稿しています。

別のネットユーザーは「前回は先に文革を起こしてから農村への下放があったが、まさか今回は下放をやってから文革を起こすつもりなのか?」と投稿しています。

福建省の荘さんは、「伝染病が広まる中、企業の受注が減り雇用問題が発生している。当局は新たな『上山下郷運動』を推進して、大学生の就職問題を解決しながら、失業に起因する社会問題をも解決しようとしている」と分析しています。

福建省の荘さん
「このような政策は『後退』だ。そして『上山下郷運動』(文革)の時代まで戻るという。私たちの世代はまだあの頃のことを少しは知っているが、全てがでたらめだった。今の社会はこの状態まで発展したが、まだまだ問題は山積していると感じている」

中共メディアは4月19日、感染拡大のために雇用が大きな打撃を受けており、仕事を再開できない約8000万人のうち7割以上が農民工だと報じています。海外のある研究者は、中国では実際には、870万人の新卒者を含む約2億人以上が失業の危機に直面していると分析しています。

実際に、2019年中国共産主義青年団中央は、3年間に1000万人以上の青年を農村部に動員する政策を打ち出しており、その時にも中共は雇用問題を解決するために「上山下郷運動」をもう一度やるつもりなのではないかとの憶測が広まりました。

 
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