北朝鮮メディアは27日、金正恩朝鮮労働党委員長が近日、元山(ウォンサン)市の大型リゾート建設現場で働く労働者に感謝の言葉を送ったと報じました。 金正恩氏については、健康状態を巡り、様々な憶測が飛び交っています。
北朝鮮の朝鮮中央放送は4月27日、金正恩朝鮮労働党委員長が、元山カルマ海岸観光地区の建設現場で働く作業員や関係者に感謝の意を表したと報じました。
ニュースでは、金正恩氏や工事現場の様子などは伝えられていません。
米国の北朝鮮研究サイト「38ノース( 38 North)」は25日、金正恩氏の専用列車とみられる列車が21日~23日の間に、北朝鮮頭部の元山の専用駅に停車していたことを示す衛星写真を公開しました。
韓国統一省のチョ・ヘシル副報道官は27日、金正恩氏が元山に滞在しているという確証はなく、北朝鮮による異常な動きも確認できていないと述べました。
韓国統一省副報道官 チョ・ヘシル氏
「金正恩委員長の健康異常説について、確認できた情報はないが、NSC(韓国国家安全保障会議)常任委員会でも説明したように、現在、北朝鮮による特別な動きはないことを確認したという見解は、今でも有効である」
韓国国防省の崔賢洙(チェ・ヒョンス)報道官は27日、南北間の軍事ホットラインは正常に稼働しているとし、双方が最近の関連問題について話し合ったという主張を否定しました。
韓国国防省 崔賢洙(チェ・ヒョンス)報道官
「現在、通信ラインは正常に稼働している」
金正恩氏は4月11日以来、公の場に姿を現していません。金正日生誕記念日である4月15日の「太陽節」に姿を見せていないだけでなく、朝鮮人民革命軍創建88周年の記念日である4月25日も欠席しています。
27日、南北首脳による「板門店宣言」は調印2周年を迎えましたが、金正恩氏は再度欠席しました。
金正恩氏の健康問題は世界の注目の的となり、重体説や死亡説など様々な憶測が飛び交っています。
一部メディアの報道では、中共は北朝鮮に医師団を派遣したと伝えられましたが、これについて北朝鮮は反応を示していません。
一方、2007年に脱北し、北朝鮮人権活動家として活躍しているパク・ヨンミ(Yeonmi Park)さんは27日、自身のSNSで「私の情報筋によると、最も臆病者で利己的な独裁者、金正恩は死んでもいないし、病気でもない。彼はコロナウイルスに感染するのを恐れて、隠れている。北朝鮮は感染者ゼロと世界にウソをついているが、ウイルスはすでに蔓延し、制御不能になっている」と伝えています。