「狼と踊る街」ニューヨーク 中共との密接な関係性【疫病と中共】

中共ウイルスが世界に広まり、各国は改めて中共政府との関係性に目を向けています。米国での感染拡大と中共にはどのような関係性があるのでしょうか。

4月30日までに106万人を上回る米国人が中共ウイルスに感染していることが明らかになっています。うち、ニューヨーク州の感染者数は30万人を超え、18,015人が死亡し、米国で最も深刻な被害を受けています。ニューヨーク市では感染者数が16万人を超え、12,774人が死亡しています。

病院は重責に耐えきれず、企業倒産も相次いでいます。かつてにぎやかだったタイムズスクエアも現在は閑散としています。

ニューヨークでなぜここまで流行が拡大したのでしょうか。ウォール街とと中共の関係性について考察します。

米国のリチャード・スペンサー前海軍長官は昨年、ウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿したコラムで、米国の年金運用政策を次のように説明しました。

「考えてみてほしい。長い勤労生活が終わった後、その間の貯えが米国の敵国に提供され、高度な兵器システムの開発に使われていたことに気づくだろう」

スペンサー前海軍長官は、米国議員、連邦職員及び軍人の年金である「連邦公務員向け確定拠出型年金(TSP)」の投資先について言及しています。

TSPの運用組織、連邦退職貯蓄投資理事会(FRTIB)はすでに、米国政府職員の年金として積み立てられたこれらの資金を、ニューヨークに本拠を置く世界最大の金融サービス企業のMSCIに組み込むことを決定しています。

昨年11月、MSCIは一部の指数の中で、中国A株市場のウェイトを5%から20%まで引き上げました。これにより、800億ドルの資金が中国市場に流れる可能性があります。

MSCIの新興市場指数には以下の中国企業が組み込まれています。

中國航工科技工業株式有限公司:主要株主は中共軍事兵器開発企業の「中国航空」工業集団で、その子会社はイランのミサイル開発を支援したことで米国政府からの制裁を受けている。

ハイクビジョン:中国国有企業の一つで、数百万人のイスラム教徒ウイグル人を収容している新疆強制収容所に監視設備を提供している。

ZTE:米国の制裁規定に違反して、イランと北朝鮮に製品を輸出した通信大手で、米国の国家安全保障を脅かしたとして非難された。

テンセント:SNS大手のウィーチャット(微信)の開発企業。ウィーチャットは中共政権による反体制派の監視をサポートし、特に今回の感染症の流行中に、流行の真実を明かした人を抑圧するために使用されたことで非難された。

本拠地を米国とする非営利団体、シチズンパワーイニシアチブ・フォー・チャイナは「流行関連の重要な情報を抑圧し、世界を暗黒で何の準備もできていない状態にした」ことを理由に、ウィーチャットを訴えています。

シチズンパワーは、海外の何十万ものウィーチャットユーザーが、この集団訴訟に参加を申し込んだと発表しています。

共和党のマルコ・ルビオ上院議員と民主党のジーン・シャヒーン上院議員は、米国でビジネスを展開している中国企業に対する監督を強化する法案を提出し、連邦退職貯蓄投資理事会(FRTIB)が中国企業に投資するのを撤回するよう求めています。下院も同様の法案を提出しました。

ウォールストリートジャーナルは「MSCIの決定は、中共政府からの圧力を受けたもので、中共はMSCIの中国でのビジネスの縮小を狙っている」と報じています。

さらに、中共政権がMSCIに与える影響が、MSCIの独立性に疑念を抱かせているとも報じています。

過去数十年の間、米国の政界とビジネス界のエリートは、多くの資金が中国に流入して中国経済が発展すれば、中共は全体主義を修正し、世界の普遍的な価値観と世界秩序に融合するとの幻想を抱いていましたが、そうはなりませんでした。英シンクタンクのヘンリー・ジャクソン協会は、中共が2003年のSARS流行中に犯した「感染情報の流れを妨げる」などの過ちを今回も繰り返したことで、流行が世界に広まり、ニューヨークも甚大な被害を被ったと指摘しています。

 
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