今年1月、チェコのヤロスラフ・クベラ(Jaroslav Kubera)前上院議長が突然死亡しました。4月27日、クベラ氏の夫人がテレビに出演し、クベラ氏は親中共の大統領と中共大使から脅迫を受け、体調を崩したと告白しました。このほか、首都プラハでは先日、天安門事件のパネルが展示され、市長のフジブ氏がソビエト時代の彫像を撤去したことで毒殺の標的にされ、2週間前から警察の保護下に置かれていると報じられました。
4月27日、チェコ政界の重大政治スキャンダルが発覚しました。親北京派のチェコ大統領と中共大使館がヤロスラフ・クベラ前上院議長を脅迫して、最終的に死に至らせた疑いがもたれています。
1989年の「ビロード革命」に関わった故クベラ上院議長は、チェコの政界でナンバー2の人物で、台湾に友好的でした。チェコ上院は2019年、クベラ氏の任期中に法輪功などの信仰団体を支持する決議案を可決し、中共に迫害停止を求めるよう大統領に呼びかけました。 クベラ氏は2月に台湾を訪問する予定でしたが、1月20日に突然心臓発作を起こし、亡くなりました。
クベラ氏の夫人と娘は、4月27日、「チェコテレビ」の番組に出演し、クベラ氏は生前チェコの大統領府と中国大使館から、台湾の訪問をやめるよう執拗に脅迫されていたと告白しました。
故チェコ上院議長 クベラ氏(2019.10.10)
「台湾の建国記念式典に参加するのは初めてではない。招いてくれてありがとう。台湾の人々に祝福を送る。台湾人の作り上げた成果に脱帽する。心から祝福を送る」
夫人のヴェラ氏によると、クベラ氏が亡くなる3日前に中国大使から大晦日の夕食会に招待され、「非常に不快な非公開の会談」に参加しました。途中で、クベラ氏は別室に連れていかれ、戻ってきたときには夫人に中国大使館が用意した食事は絶対食べないように言ったといいます。
夫人は遺品整理の際に、チェコ大統領府と中国大使館が送りつけた2通の「脅迫状」を発見しました。内容は、台湾訪問をやめなければ、家族を危険に晒すというものでした。ヴェラ夫人は、娘と二人で恐怖に怯えたと述べ、これらの手紙がクベラ氏を死に至らせたと考えていると述べました。クベラ氏は亡くなる前の7日間、一言も発さず落ち込んでいたといいます。
ヴェラ夫人はまた、クベラ氏が台湾を訪問することに強いこだわりを持っていたと強調し、家族には「共産党の独裁時代にも、誰もクベラを止めることができなかった!今やチェコは民主主義国家だ。このような圧力に屈するものか!」と言っていたと明かしました。
新上院議長のミロシュ・ビストルチル(Milos Vystrcil)氏は、「2通の脅迫状」という重大スキャンダルを受けて、ゼマン大統領に説明を求める書簡を3通送ったが、ゼマン大統領は議会からの質問と調査の要求を拒否していると述べました。