広東省広州市海珠区には湖北省出身の人々が経営する衣類工場や商店が数多くありましたが、疫病の流行の影響を受けて、多くの店が経営破綻に追い込まれました。賃料の減額を求めてデモ抗議を行ったところ、当局に鎮圧されました。多くの湖北人が商売をやめ、帰郷を余儀なくされています。
先週より、広州に住む多くの湖北省人が故郷に帰り始めました。4月26日の映像では、多くの荷物を抱えた人たちが湖北省行きのバスを待っています。ベッドなど大型家財を運ぶ人もおり、広州での出稼ぎ生活に終止符を打ったと見られます。
大型バスの運賃は湖北省までわずか100元程度で、高速鉄道よりかなり安いため、多くの人がバスでの帰郷を選んでいます。
広州市上沖村の商店主
「いまの問題は仕事がない。そして賃料が高く、下げてもくれない。みな帰った。自分の車で帰るか、あるいは大型バスで帰郷した」
28日の映像では、およそ千人が暗闇の中でバスを待っています。湖北省行きのバスステーションでは、バスを待つ人の列が夜8時から翌朝まで続きました。一方、地元当局は街灯を消し、写真撮影も禁止しました。
現場の映像
「今日は4月28日。ここでは1000人近くが帰郷する。(当局は)街灯を消したので、何も映らない。1000人近くが湖北省に戻る。すごい数の人だ。無数の人がひしめき合っている。1000人以上はいるかもしれない」
広州市康楽村(こうらくそん)で衣類工場を営む左(さ)さんによると、先週賃料の減額を求めてデモを行いました。しかし、多くの村は1か月分しか減額してくれず、減額のない村では多くの工場が倒産したといいます。
広州市康楽村の衣類工場経営者 左さん
「みな故郷に引っ越した。主な問題は商売が成り立たない。仕事もなければ、賃料も下げてくれない。1元も下げてくれないので、もう無理だ。生きていけない。皆つぶれた」
広州市海珠区には、十数万人の湖北人が衣類工場に勤めたり、商店を経営したりしていました。しかし、今年に入って疫病の流行が原因で仕事が激減し、4月21日と22日、海珠区の複数の村の湖北人がデモ抗議を行い、賃料の減額を求めましたが、当局は軍と警察を出動し鎮圧。複数の人が警察に逮捕されました。