蔡英文総統就任演説 「九二共識」には触れず 「歴史のページがめくられた」

台湾蔡英文総統は5月20日の就任演説で、両岸関係が歴史の転換点を迎えていると述べ、中国の習近平国家主席に責任を取るように呼びかけました。 演説では4年前に言及された「1992年会談の歴史的事実」には触れず、台湾大陸委員会の委員長は「歴史のページがめくられた」と述べました。 中共国務院台湾事務弁公室は再び「一国二制度」の問題を提起しましたが、大陸委員会はこれは現状を破壊し、台湾を矮小化していると述べました。

中華民国 蔡英文総統
「両岸関係は歴史の転換点を迎えている。双方共に責任があり、遠望しながら付き合う方法を探る」

蔡英文氏は就任演説で「平和、対等、民主、対話」の4原則を強調し、「一国二制度」を否定し、習近平氏に責任を取るように呼びかけました。

中華民国 蔡英文総統
「情勢が変化する中、私は原則を固く守ると同時に問題の解決にはオープンな態度を堅持して責任を果たす。対岸の指導者もこれに見合った責任を担い、共同で両岸関係の長期的な発展を安定的に実現するよう期待する」

2016年の演説とは違い、今回は「1992年会談の歴史的事実」についての言及はなかったことに対し、大陸委員会はこのように述べています。

中華民国大陸委員会委員長 陳明通氏
「歴史の1ページがすでにめくられた。これらの部分はすでに繰り返す必要がなくなった」

一方、中共国務院台湾事務弁公室は20日、「平和的統一と一国二制度」の基本方針を改めて強調し、民進党政権がいわゆる「一つの中国を原則とする九二共識」を認めず、「両岸関係を一方的に破壊している」と非難しました。 それに対し、中華民国大陸委員会は、政府の立場は一貫していると述べました。

中華民国大陸委員会委員長 陳明通氏
「一国二制度は実際は現状を破壊し、台湾を矮化するものだ。我々は受け入れられない」

中華民国大陸委員会副委員長 邱垂正氏
「我々は屈しない、挑発しないで、台湾海峡の平和と安定の現状維持に尽力する。政府の立場は一貫している。国家の主権と安全を守ることは決して譲れない」

蔡英文総統は、過去4年間、台湾海峡の平和と安定の維持に全力を尽くしたことは国際社会からも認められており、対岸との対話にも前向きで、地域の安全により具体的に貢献したいと述べました。

中華民国 蔡英文総統
「この厳しい時期に中華民国総統という重責、大任を任されることで私が感じるプレッシャーは喜びを上回る。しかし私が委縮することはない。皆様がいるから」

 
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