中共当局は、北京で開催中の全国人民代表大会(全人代)で、香港版国家安全法の制定を提案しました。香港の自治を脅かすこの法案について、国際社会からは批判の声が高まっています。 5月23日には、元香港総督のクリストファー・パッテン氏を中心に、米下院議員17人を含む世界の政治家200人近くが共同声明を発表し、法案を非難しました。
1992年から1997年にかけて最後の香港総督を務めたクリストファー・パッテン氏と元英外務大臣のマルコム・リフキンド氏が草稿を書いて発表した共同声明では、200人以上の政治家や法曹界の有力者が署名し、この法案は「中英共同宣言への露骨な違反」であり、「香港の自治、法の支配、基本的自由に対する全面的な攻撃」であると非難しています。
声明では「国際社会が北京が香港に関する約束を守ると信じなければ、人々は北京が他の問題で約束を守ると信じることはできないだろう」と述べられています。
署名には、多数の米議会議員も含まれており、共和党の情報委員会の委員長代理を務めるマルコ・ルビオ上院議員やテッド・クルーズ上院議員も声明に署名しています。 民主党からは、上院外交関係委員会のトップであるボブ・メネンデス上院議員、下院外交事務委員会のエリオット・エンゲル委員長、下院情報委員会のアダム・シフ委員長が署名しています。
ルビオ議員は、香港の現在の状況を受けて22日、「全人代がもしいわゆる「国家安全法」を承認すれば、私が起案した香港人権・民主主義法案は、香港はもはや自治ではないことを断定することになる」とツイートしました
声明には、英国の下院議員44人、上院議員8人のほか、EU諸国、韓国、ミャンマー、マレーシアなどのアジア諸国、オーストラリア、カナダの政治家も署名しています。
これに先立ち、米国務省は香港の国家安全法に関する公式声明を発表しました。 ポンペオ国務長官の名義で発表されたこの声明では、北京が香港で国家安全法の立法を強行すれば、香港の特別な地位を見直すことになり、必ず米国の強い反発を招くだろうと指摘しています。