蔡英文総統 香港人への人道支援の方針を発表

中共の全国人民代表大会(全人代)は5月28日、香港国家安全法の制定方針を採択しました。 これに先立ち、台湾蔡英文総統は27日、行政院が省庁間タスクフォースを結成し、香港市民への人道支援を提供する方針を発表しました。

中華民国 蔡英文総統
「中国(共)政府は懸崖勒馬し、『50年不変、香港人による香港の統治』の約束を破ってはならない」

中共全人代の香港版国家安全法採択の前日、蔡英文総統は、香港市民への人道支援措置を策定する方針が固まったことを明らかにしました。蘇貞昌行政院長との話し合いを経て、省庁間を跨ぐタスクフォースを設置し、大陸委員会の主導の下で香港市民の台湾移住のための人道支援を提供すると発表しました。

中華民国 蔡英文総統
「我々は彼ら(香港市民)に必要な支援を提供し、台湾への移住、生活、仕事ができりょうに協力する。大陸委員会が最短の期間内に、企画書を提出し、説明するよう希望する」

香港人の台湾入国の基準が高すぎるのではないか、難民法の改正が必要なのかどうかについて、蔡英文総統は、現在の香港人の移民規制は比較的緩く、香港・マカオ条例だけでも法的には十分だと述べ、自由と民主主義を追求する香港の人々への支持は変わらないと繰り返し述べました。

中華民国 蔡英文総統
「我々のこの条例が将来的に調整が必要になるとしても、皆さんに説明したいのは、一つだけは変わらない。つまり、香港の人々の面倒を見てあげる決心は変わらない」

外界からは、香港への清算が終わった後、中共は台湾に対して武力行使に踏み切るかもしれないと考えられています。これに対し蔡英文氏は、現在の状況には十分な注意が必要であると述べ、関係省庁に対し、趨勢を注視し先を見据えた取り組みを強化するよう要請しています。

 
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