30年前の香港映画が香港の現状を正確に予言

中共は1997年の香港返還時に交わした「一国二制度は50年不変」の約束を、半分も経たないうちに破りました。最近、警察催涙弾を放ち市民を殴打するなど、古い香港映画のシーンやセリフが再び注目を浴び、話題となっています。

映画「十年、自焚者」のワンシーン
「オーヤンが私に言った。香港が民主化を勝ち取らない限り、まだ死者が出ていなくても、焼身自殺問題の解決法はない」

警察が催涙弾を放ち、民主主義を勝ち取ろうとする主人公が警察によって地面に組み伏せられ、警棒で殴打されています。これは、2015年12月に公開された香港映画「十年–自焚者(十年–焼身自殺者)」のワンシーンです。映画の公開からわずか4年後、この状況が香港で実際に起きてしまいました。

「十年–焼身自殺者」の監督 周冠威氏
「(当時の)カメラマンは、実際には警官にもよい人はいるので、彼らをここまで悪人に描く必要はないのではないか?役者にもっと軽めに殴らせてもいいのではないか?と言った。私はやりすぎにならないよう注意を払って、警察が頭部を殴打する時の動きを表現した。だがそれからわずか4年後の2019年に警察の暴力は日常となった。私は(映画よりも)もっとひどいと感じている」

映画のシーンが現実となったこと、そして中共の魔の手が一向に止まる様子を見せないことに、監督は衝撃を受けています。

「十年–焼身自殺者」の監督 周冠威氏
「当時の政府は『基本法23条』の立法化を意図していた。誰もが自由が制限されると感じ、私も法律が整備されると口に出せないことが出てくると感じた。これは肌感覚で、自分の口がふさがれるようだ」

主権を移譲した香港は本当に50年間変わらないのだろうかという不安を伴う予感は、実際には1997年よりも前から存在し、当時の映画にもそれが反映されていました。

香港映画「表姐,你好嘢(彼女はシークレット・エージェント)」
「あんたらの親分はずっと気に入らないんだろう。あいつらは性根が悪いんだ。命令一つで手下の兵隊を差し向ける。フン!『共同声明』なんて終わりだ!一国二制度も終わりだ!『基本法』も終わりだ!その時になったら香港ドルは大暴落、金融も大暴落、株式市場も大暴落、不動産価格も大暴落。暴落!暴落!暴落だ!」

1990年に香港で上映された映画「表姐,你好?(彼女はシークレット・エージェント)」の1年前に、世界を震撼させた六四天安門事件が発生しました。そして今年の5月21日、中共が「香港版国家安全法」を導入する方針を示したことが広まると、翌22日に香港株式市場は大暴落し、1349.89ポイント下落し、下げ幅は5.56% に達しました。30年前の映画は、香港で今起きていることを正確に予言していました。

鄧小平と香港の実業家、李嘉誠の対話(1990年)
「一国二制度は変わらない。変わるはずがない。これは短期的に変わらないという意味ではなく、長期にわたり変わらないという意味だ。この道理について私は過去何度も語った。つまり50年間変わらず、50年後はさらに変わらないという道理だ」

鄧小平の当時の無責任な放言は、今振り返ると強烈な皮肉となっています。中共政権の言うことは信じられないという声がネットユーザーから次々と上がっています。あるネットユーザーは「白紙に黒字で書かれた文書が信じられないのに、中共がしゃべる話が信じられると思うか?」と投稿しました。

映画の各セリフは今の状況を次々と言い当てており、香港人の不安を早くから予測していました。

 
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