英国のジョンソン首相と米国のトランプ大統領は5月29日電話会談を行い、中共が香港版国家安全法の導入を採択したことは、香港の自治を損なうものだと述べました。 また、英国政府は、英国海外市民パスポート(BNO)を保有する香港人に対して、英国にビザなしで滞在できる最長期間を6か月から1年に延長し、将来的に英国市民権を獲得するための手段を与えています。
ジョンソン首相は29日、トランプ大統領と電話会談を行いました。その後、英首相官邸は声明を発表し、「両首脳は、中国による香港国家安全法の導入は、中英共同宣言に反するもので、香港の自治と一国二制度の枠組みを損なうものであると認識している」と述べました。
英国と米国のほか、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、EUはいずれも、中共が香港版国家安全法を推し進めていることを批判し、懸念を示しています。
また、中共が香港版国家安全法を正式に施行すると、英国は海外市民パスポート(BNO)を保有する香港人に対して、ビザなしの滞在期間を6か月から12か月に延長すると発表しました。 香港ではおよそ290万人が英国海外市民パスポートを申請することができ、現在35万人の香港人がBNOパスポートを保有しています。
英国のドミニク・ラーブ外務大臣は、BNOパスポート保有者は「12か月間の就労や就学を申請することが認められ、このこと自体が将来的に市民権獲得の道を与えている」と説明しました。
ジョンソン首相とトランプ大統領の電話会談では、主要7か国(G7)首脳が顔を合わせて会合を開くことの重要性について話し合いを行ったほか、通信のセキュリティ問題についても意見を交換しました。次回のG7首脳会議は6月末に米国で開催される予定です。
英「タイムズ」の報道によると、英国は中国の5G技術への依存度を下げるため、「民主主義10か国」による枠組み構築を提案しています。 この10か国には、7つの先進国に加えて、オーストラリア、韓国、インドが含まれています。