中国とインドは国境地帯で領土問題を抱えていますが、先日バンゴン湖付近で両国兵士の衝突が発生しました。流出した動画では、中国軍の兵士一人がインド軍兵士から殴打され、「捕虜」として連行されたとみられます。その間、他の中国人兵士は助けに向かうどころか車から降りず、さらに車をバックさせてその場から退こうとしました。中共政府はこれについて正式なコメントを出しておらず、中共メディアも関連の報道を行っていません。
中国とインドとの間の約2000kmの国境線上の12万㎢に領土紛争が存在しています。中国とインドは領土問題を平和的に解決することで原則的に同意してはいますが、両国軍の間で最近、突発的な衝突が発生しました。
5月31日、インターネットに、インド軍の兵士グループが中国軍のジープ「東風猛士」の車列を棒と石で攻撃する様子が公開されました。インド軍に捕まった中国軍兵士1人は「助けてくれ!」と叫んでいますが、中国軍兵士は救助には向かわず、車をバックさせています。
米国のフリーメディア、張明道さん
「これを見て頭に血が上った。この臆病者たちは毎日大口をたたくことしかできないのだ。毎日『我が国はスゴい』だの、戦狼がどうしたこうしたと言って、中国人をバカにし、台湾をバカにし、香港をバカにすることしかできないのだ。大したもんだ」
中国軍兵士のグループとインド軍兵士が互いに向けて投石している様子が遠方からうかがえたことが画像から分かります。破壊されたの多目的オフロード車ははバックし続け、インド軍兵士がそれを追うように前進しています。インターネットでは、負傷した中国側の兵士は最終的にインド軍に連行されたと伝えられています。
米国のフリーメディア、張明道さん
「こんな装甲車まで出してきて、おめおめと殴られた。殴り合っても銃の一つも打てなかった。中共は庶民を殺すためならあえて戦車を天安門に行かせるが、領土を守るだのと、中国の領土は一寸たりとも譲れないとか威勢よくスローガンを叫んでいるくせに、いざとなったら一人一人が頭を縮めた亀のようだ。上官も命令を出せないし、兵士も引き金を引けないのだから」
中国の独立研究者、戈壁東(か・へきとう)さんは、軍事情勢に詳しい人はみな、今の中共の軍隊は戦闘に耐えられないだろう、なぜなら軍の内部に信念がないからだと指摘していると語っています。
中国の独立研究者、戈壁東さん
「こうした状況に置かれた場合、もし命令が下されず、軍隊もいなければ、彼はすぐに逃げ出しただろう。状況が不利になった時には、彼らの間で仲間同士の気持ちが通じていないことが露呈するのだ。戦場で味方を助けるという基本的な戦略すらないのだ。彼らは任務を遂行するための機械にすぎない」
5月以降、中国とインドの国境地帯では何度も衝突が発生しており、中共が現地の部隊に5000人を増員したとも報じられました。独立研究者の戈壁東さんは、中共当局はすでに末期的で狂った戦狼的姿勢を取っていると考えています。
中国の独立研究者、戈壁東さん
「彼らは拡大姿勢を取り、南シナ海、ベトナム、フィリピン、マレーシアへと拡大し、インドとの国境でも拡大姿勢を取っている。この『拡大』という考え方は、彼らが最近香港に対して行った『一国一制度の国家安全法』にも関係している。結局のところ中共は今、戦狼状態を呈している。もっとも世界はそうしたものだ。『オレは野獣だ、怖いものなんか何もない』『オレは狼だ、怖いものなんか何もない』とね」
香港日刊紙のアップルデイリーは軍事評論家の黄東(こうとう)さんの話として、撃退された「東風猛士」の多目的オフロード車は中共軍の所属で、中共の建国以来、中国とインドの陸・海・空軍が対立した場面を見たことがないと述べています。
中国の独立研究者、戈壁東さん
「この動画を最初から見たところ、あの兵士は地面に倒れていたが、十数台の車がバックして助けにも行かなかった。まるで逃げ出しているかのようだ。このこともまたある種の問題を反映している。中共はその戦狼的姿を露呈させているが、中共の軍隊は成熟した戦狼の姿はしていない。この軍隊は戦闘を恐れている。あの兵士は実際には戦うつもりなどなかった。なぜならこの軍がすでに腐敗しているからだ。軍人ですら仕方がないとあきらめていた」
これまでに中共当局は外交部を通じて、中国とインドの国境情勢は安定し、統制下に置かれていると発表するにとどまり、今回の突発的事件について正式なコメントを出していません。
米国のフリーメディア、張明道さん
「インターネットで検索しまくったが、国内ではこの件が報じられていないようだ。さきほど国内の友人に電話を掛けたところ、彼らもこの件を知っていたが、何もコメントしない。今の国内のいわゆるエリートと呼ばれる人々はひどい。論理的に言えば彼らは今、声を挙げるべきだろう。関連する当局や部門、指導者らの尻を叩く時だ。そうだろう?」
中共の兵士がインド軍に殴られた動画は多くの中国人ネットユーザーの怒りを買い、「恥を知れ!」との声が次々と上がりました。中国国内では使用できないツイッターでも多くのユーザーが中国語でこの事件についてコメントしています。一方中共メディアは米国で起きた黒人男性死亡事件については何度も報じながら、自国の兵士が殴打された事件については口を閉ざしたままです。あるネットユーザーは、「我々中国人は米国の黒人問題に関心を持つ一方で、兵士の生死については気にもかけない。兵士が殴られたが、無視すればいい」と皮肉っています。