6月4日午前、中国広西チワン族自治区梧州市蒼梧県(そうごーけん)の旺甫鎮中心小学校で、切りつけ事件が発生しました。犯人はこの学校の元警備員で、児童37人と大人2人が負傷しました。
梧州市蒼梧県旺甫鎮政府の発表によると、6月4日午前8時30分に、旺甫鎮中心小学校で、警備員の男が刃物で児童らを切りつける事件が発生しました。 当初は児童と職員約40人が負傷し、うち校長と警備員1人、児童が1人が重傷を負ったと伝えられました。
犯行に及んだのは50歳前後の元警備員の男で、その後警察に拘束されました。 負傷者数はのちに39人に修正されました。
ラジオ・フリー・アジアによると、同校の校長は、別の人員を配属させるために、この警備員を解雇したとのことです。 警備員は疫病流行中に別の仕事を見つけることができず、校長に報復するために事件を起こしたものと見られています。事件当日、男はまず校長を刺し、それから止めようとした警備員を切りつけ、2人に重傷を負わせました。その後も刃物を振り回し、児童37人が軽傷を負いました。
この事件は、ネットユーザーの間で話題となり、ネットユーザーらは殺人はいけないが、中共独裁政権下では訴える手段がないため、極端な方法を取っていると考えています。
中国のネットユーザー 呉さん
「公正なシステムがなく、庶民は訴えるところがないため、必然的に別の弱者に鬱憤を晴らすことになる。官僚たちは後ろ盾があるので、法律では解決できない。陳情すると騒動を起こしたとして拘束される。これはもはや普通の現象になっている。極端に走らざるを得ない。」
別のネットユーザーは、中国経済は昨年の時点ですでに低迷しており、今年はさらに疫病の流行で失業者が大量に増えているが、政府は救済策を講じていないと述べています。
中国のネットユーザー 項さん
「国の経済が酷いから、不安定要素はますます増える。一部の人は経済的圧力に耐えきれず、理性を失い極端なことをするかもしれない。露店経済を推進しているが、もしみんなが失業すれば、露店を出す人はさらに増え、経済が引き続き下降し、消費も減少する。消費がないと露店を出してもどうにもならないだろう」
事件同日、ネット上では、「地元市政府からの知らせ」が流されました。内容は、今回の切りつけ事件の動画や写真を見つけたら、拡散しないように促すものでした。6月5日、記者が旺甫鎮に電話をかけたところ、多くの住民はこの事件について知らない、あるいはこのような事件はなかったと答えました。当局から口封じされていると見られています。