中国南部では雨季を迎え、連日豪雨が降り続いています。6月に入り、8つの省で少なくとも52本の河川の水位が警戒水位を超えて洪水が発生し、多くの農地や家屋が冠水し、行方不明者も多数出ています。
中国南部では連日豪雨が降り続いています。6月に入り、広西チワン族自治区、広東省、福建省、浙江省、江西省、湖南省、貴州省、雲南省など8つの省で、52本の河川の水位が警戒水位を超え、洪水が発生しています。
6月7日早朝、湖南省永州市江華県では洪水警戒1級警報が発令されました。複数の町で河川両岸の農地が冠水し、一部家屋も浸水被害を受けました。山津波が発生したため、水流が激しくなり、同日午後5時の時点で、3人が濁流に飲み込まれ、2人が川を渡るときに流され、行方不明になっています。
広西チワン族自治区では連日の豪雨で洪水に見舞われ、32万人以上が被災し、一人が雷に撃たれ死亡しました。桂林市陽朔県(けいりんし ようそけん)をはじめとする複数の町や村落が冠水しました。中央気象台は7日、大雨黄色警報を発し、同日午後2時、広西チワン族自治区ではオレンジ色警報を発しました。広西チワン族自治区、湖南省、広東省、雲南省の一部地域で洪水や都市型水害、地滑りが発生しました。
豪雨の影響を受けて、7日、広東省懷集(かいしゅう)ー広西賀州(かしゅう)区間で土砂崩れが発生し、高速列車が脱線しました。乗客の死傷者数は不明です。
広東省の住民、曾(そう)さんによると、広州市でも豪雨が続いています。
広東省の住民、曾さん
「1週間降り続いている。ここはそれほど深刻なほうではないが、車が多く水没している」
広西チワン族自治区の徐さんは、地元では豪雨が降り続いているといいます。
広西チワン族自治区の徐さん
「ここ数日、また豪雨が降り、地元の県では、地下にあるスーパーなどが冠水した。雨季なのと、山の下なので、山から流れてきた鉄砲水で、冠水した」
徐さんは、洪水の原因として予防措置の不備を指摘します。地元のダムの水が満水状態になっていたため、連日の豪雨で、洪水になったといいます。
中国の南部では豪雨が続いていますが、北部では記録的な高温が続いています。河北省東部、北京、天津、山東省中部などでは最高気温が37度から39度を記録し、内モンゴル東南部の局部地域では40度以上に達しています。