中国とインドの軍隊が6月15日、ヒマラヤの国境で激しい衝突を起こしました。インドメディアによると、インド人兵士20人が死亡し、中国側では43人が死亡もしくは重傷を負いました。しかし、中共は中国兵の死傷者数を公表していません。中国とインドの国境紛争で死亡者が出たのは、1975年以来、初めてです。
インドメディアは16日、インド軍の声明を引用し、衝突によって20人が死亡し、死者数はさらに増える可能性があると報じました。
インドのニューデリー通信は、中国人兵士43人が死亡もしくは重傷を負ったと伝えました。
中共の解放軍西部戦区の報道官は16日、両国の兵士の間で激しい肢体衝突があったことを認めましたが、中国側の死傷者数は明らかにしませんでした。
中国とインドの兵士たちは15日の夜から16日の早朝にかけて、国境の狭い尾根で石や棍棒を使って6時間も殴り合いをしたと報じられています。
多数の死傷者が出た原因は、峡谷に転落したり、高山地帯の氷点下の気温の影響によるものだと伝えられています。
現地時間の17日、インド軍はギャルワン渓谷での衝突で死亡した兵士の葬儀を行いました。
それと同時に、インド軍の多数の車両がギャルワン渓谷に向かって移動しました。
インドのナレンドラ・モディ首相は17日、「インドは平和を望んでいるが、どんな挑発にも対応できる」と述べました。
インドのモディ首相
「挑発を受ければ、インドはどのような状況下でも適切な対応をする能力がある」
モディ首相はまた、19日に全党会議を招集し、現状を話し合うことを要求しています。
中共外交部は17日、両国は軍事・外交チャンネルを通じて緊密なコミュニケーションを行っていると述べました。
また、中共官制メディアは最近、中国側がチベットのタンラ山脈で戦車や装甲車を動員して軍事演習を行ったと報じました。
グテーレス国連事務総長の報道官は16日、最大限の自制心を保持するよう双方に促しました。
米国務省の報道官は、米国は中国とインドの国境沿いの状況を密接に把握し、紛争の平和的解決を支持していると述べました。
また、報道官は、トランプ大統領が2週間前にモディ首相と電話会談した際に、インドと中国の国境問題について話したとも語っています。