中印国境紛争で20人のインド兵が犠牲になったことは、国民の怒りを招き、中国共産党への反発が全国に広がっています。6月22日、インドの経済界は中国製品に対するボイコット運動を開始しました。
6月22日、全インド商業連盟(The Confederation of All India Traders、CAIT)は首都ニューデリーで中国製品をボイコットする抗議活動を開始しました。
全インド商業連盟秘書長 プラヴェン・カンデルワル氏
「ラダック地方の国境地帯で、中国(共)はインド兵士に対し行った野蛮な行為は我々の国家を怒らせた。全国の商人は中国製品のボイコットを決めた。2021年12月31日までに、中国製品の輸入を135億ドル分減らす」
4,000の貿易協会と7,000万人のインドの商人を代表する全インド商業連盟はインド政府に、中国製品のボイコットを支持し、中国企業と結んだ政府の契約を解除するよう求めています。
中国はインドの主要貿易相手国の一つでありますが、インドの対中国貿易赤字は2019年度には約535億ドルとなっています。
ロイター通信によると、インド政府は少なくとも今年4月から、中国などから輸入される約300の製品に対する関税や非関税障壁の引き上げを含む貿易赤字削減案を検討しています。
自転車製造業者 オムカル・シン氏
「政府が中国からの輸入品にこの類の制限を設けるのなら、インド工業が必要としていれば、ステンレス部品もここで製造できる」
6月15日、中国とインドの軍隊が国境で衝突し、中国兵がインド兵20人を釘つき棒などの武器で殺害し、76人が負傷しました。インドは直ちに死傷者の情報を発表し、犠牲となった兵士のために厳粛な国葬を行いました。しかし、愛国主義や民族主義を国内のプロパガンダにしてきた中共政府は、人民解放軍将校や兵士の死傷者情報については口を閉ざしています。
21日、インド政府は国境地帯での銃の使用を禁止する交戦規則の改正を決定しました。これによって、軍の指揮官は中国軍の敵対行為に対して独自の判断で裁量権を持って対応できるようになりました。