北京は6月11日に新たな感染拡大が始まってから、公にはロックダウンしたと発表していませんが、実際には市民の出入りを厳しく制限しており、核酸検査の証明書がなければ北京を離れることもできません。当局による言論統制も厳しさの一途を辿っています。同時に、人々は当局の指導部の幹部が公の場に姿を表していないことに気付きました。
6月23日、中国鉄道北京局は記者会見で、北京を離れる場合の管理をさらに強化すると発表しました。5月30日以降に、新発地市場に出入りした人や市場の職員や販売員およびその濃厚接触者、高リスク地区の住民は北京から出ることが禁じられています。全ての市民に対し、必要がない場合は北京を離れないように要求し、どうしても離れる必要がある場合、7日以内の核酸検査の陽性証明書の提示が義務付けられています。現在、北京駅発着の列車の数も大幅に減り、利用客もかなり減少しています。
北京市民 江さん
「確かに、核酸検査証明書がなければ北京から出ることはできない。都市封鎖と同じじゃないか。道路には車もあまり走っていない。家にいるだけだ。封鎖するならすればいい。今年は何もできない。生き伸びるだけでいい。ここ半年間収入がない。もうちょっとで借金するしかない」
6月20日までに、北京市当局は住民229万人の核酸検査を実施し、さらに3種類の人にも検査を実施すると発表しました。北京市民の王さんから新発地市場が所在する豊台区の状況を伺いました。
北京市民 王さん
「豊台区では現在、全ての住民が検査を受けなければならない。新発地市場の多くの人が隔離する必要があり、費用は一人当たり8000元、全部自己負担で、14日間隔離する。現在野菜は、例えば今の時期、胡瓜は毎年1.5元が相場だが、今年は5元にまで上がっている。例年より3倍以上高くなっている」
中共の疾病予防コントロールセンターの流行病学専門家の吳尊友(ご・そんゆう)氏は18日、「北京の感染高リスク地区は4つに増え、中リスク地区は37に増えたと公に述べました。22日、北京の感染予防管理指揮本部は、現下の北京の疫病の流行情勢は依然として厳しく、予防管理工作は最も重要かつ最も厳しい時期を迎えていると再度強調しました。
北京市民 楊さん
「コントロールは果たしてできているのか?分からない。テレビでは制御できていると言っているが、気を緩めてはならないと言う専門家もいる。状況が厳しい地区もあるようで、再度封鎖が行われている。よくわからないが、とにかく怖い」
新たに「中リスク地区」に指定された海淀区の八里莊(はちりそう)の町内について、北京市疾病予防コントロールセンターは22日、同区で2人の感染が確認されたとしか発表せず、詳細は伝えませんでした。しかし、大紀元の22日の報道によると、八里莊の複数の住民が、中国核工業集団公司の核工業第二研究設計院で感染者が確認され、現在感染者が居住している団地「海淀区馬神廟(ばじんびょう)1号院」のある集合住宅がすでに封鎖されたと述べています。
他の市民も、「核工業第二研究設計院」で感染者が確認されただけでなく、あるお粥の店でも検査をしたところ、11人が不合格で、店も封鎖された。ただ感染確定の診断はまだ出ていない。安全感が全くない。恐ろしすぎる」と述べています。
一方、当局による感染情報に関する言論統制も依然として厳しく行われています。北京市公安局の潘緒宏(はん・ちょこう)副局長は19日、6月11日に感染拡大が始まってから、北京の警察は流行に関するデマ関連の案件を60件摘発し、一人を刑事拘留、9人を行政拘留したと述べました。
北京市民 江さん
「外出も許されていない。コントロールできているかどうか、私たちは全面的に見ることができない。当局がデマだと言えばデマなのか?これでは武漢と同じではないか。最初は訓戒処分で最後には内部告発者になった。時間が証明するだろう」
北京市民 楊さん
「互いに知らせたり話したりするのが庶民ではないか。李文亮の件の時も、庶民には知らせなかった。もし庶民に早めに知らせていれば、あれほど多く死なずに済んだはずだ。我々庶民は話す権利が与えられていない。チャットグループでも自由に話ができない。グループ管理者は勝手に投稿しないようにと言っている。私は自分で泣くしかない。1日に二回泣くが、泣く権利はあるだろう?自分で泣くだけで、ネット上では言うなということだ」
言論の統制を強化される一方で、中共の指導部である中央政治局常務委員会メンバーの姿が公の場から消えたことに、人々は気付きました。中共の各メディアの報道を総合して見ると、習近平主席は6月11日に北京でクラスターが発生する前後、電話会議に2回参加しただけでした。また、李克強首相が公に姿を見せたのも1回のみでした。中共全人大常務委員会委員長の栗戰書(りつ・せんしょ)は、全人代の政治協商会議でマスク姿を見せてから、公の場に姿を見せていません。汪洋も、8日から12日まで行われた新疆ウイグル自治区での視察を最後に、公の場から姿を消しました。
王滬寧(おう・こねい)は電話会議で2回姿を見せただけで、韓正(かん・せい)も1度だけ、趙樂際(ちょう・らくさい)は6月はどこにも姿を見せていません。
アナリストは中共の中央政治局の7人の常務委員は、疫病流行から逃れるために、全員北京から脱出した可能性があり、やむを得ない場合のみ、個別に北京に戻るだろうと分析しています。