ポンペオ国務長官は6月26日の声明で、香港の高度な自治を損ない、人権を抑圧する中共官僚にビザ制限を課すと発表しました。香港版国家安全法の制定を強行する中共に対し、米国が制裁の第一歩を踏み出しました。
ポンペオ国務長官は声明の中で、中共は香港の自治を損なうことに力を入れ、一方的に国家安全法を施行し、中英共同宣言に基づく義務に違反し続けていると指摘しました。また中共は香港当局に対して、民主活動家を逮捕し、民主化推進派の候補者を失格にするよう圧力をかけ続け、香港の人権と基本的自由を損なっていると指摘しています。
ポンペオ国務長官は「香港の高度な自治権を損なった責任があるとされる、もしくは香港の人権と基本的自由を損なうことに加担したとされる現職または元中国共産党幹部にはビザの制限を課すことになる。 また、その家族も制限の対象となる場合がある」と述べました。
中共当局が5月に香港に国家安全法を導入すると発表したことを受け、トランプ大統領は、香港の特別経済的地位を剥奪し、関連する中共官僚を制裁すると発表しました。
中共は、6月28日から30日に開かれる全国人民代表大会常務委員会で、香港版国家安全法の草案を可決すると見られ、7月1日までに制定される可能性が出てきました。
ポンペオ国務長官の26日の声明は、制裁対象となる高官の具体的なリストは公表していませんが、香港をめぐる中共への制裁は正式にスタートを切りました。この前日、米国上院は「香港自治法」を全会一致で可決したばかりで、この法案は米国政府が立法手段を用いて、香港の自治と人権を損なう中国と香港の官僚、警察、団体に制裁を課すことを要求するものとなっています。