カナダ籍の実業家に8年の不当判決 孟晩舟事件の報復?

6月30日、3年以上も不当に身柄を拘束されていたカナダ籍中国人実業家の孫茜(そんせん)さんの裁判が北京で行われ、孫茜さんは8年の不当な判決を宣告されました。孫茜さんの元弁護人である謝燕益(しゃ・えんえき)氏は、この判決は不当なものであり、おそらくファーウェイの孟晩舟事件と関係があり、また孫茜さんの巨額の財産が狙われている可能性があると述べています。

北京リードマン生化学公司の創業者である孫茜さんは、2007年にカナダ国籍を取得し、35億元の財産を築き、2012年と2016年には、フージワーフの中国富豪ランキングにも名を連ねました。しかし、過労により体を壊し、複数の病気に悩まされるようになりました。有名病院で治療を受けても体調はよくなりませんでした。2014年になって、孫さんは法輪功を学びはじめ、すぐに健康を取り戻しました。

2017年2月19日、孫さんは自宅でいとこと談笑していたところ、警察が突然家宅捜索に入り、法輪功関連の本が発見され 、逮捕されました。拘束期間中、孫茜さんは鉄製の椅子に固定されたり、顔に唐辛子水を吹きかけられるなど、様々な拷問を受けました。また、一日中手錠をかけられ、強制的に洗脳され、法輪功の修煉を放棄するよう強いられました。

6月30日、北京朝陽法院の温榆河(おんゆが)法廷で孫茜さんの事件が審理されました。

今回で孫茜さんの裁判は3回目となり、懲役8年の判決が下されました。

孫茜さんの元弁護人である謝燕益弁護士は、これは完全に不当な判決であり、恐らくファーウェイの孟晩舟事件と関係があり、また、孫さんの21億元の財産が狙われ、彼女の財産を横領しようとしている人がいると述べました。

元弁護人 謝燕益氏
「この案件は最初から法律に違反している。つまり冤罪による不当な判決だ。次に、彼女の21億元もの巨額の財産を狙って、法律プロセスのなかで捏造を行っている人がいる。彼女の財産が危ない」

謝燕益氏は、孫さんの事件は長い間審理されておらず、6月30日にやっと判決が宣告されたが、これは法律が適用されての判決ではなく、おそらく孟晩舟事件に関連していると述べました。

カナダのトルドー首相は6月25日の記者会見で、中国で拘束されているカナダ人2人と引き換えにファーウェイのCFOである孟晩舟の釈放を求める元カナダ高官19人の要求を拒否しました。

謝燕益氏は、弁護士たちは孫茜さんの人身と財産の権利を守るために戦ってきたと述べました。しかし、家族が雇った13人の弁護士は、司法局と国家安全保障局の脅迫を受けて、全員が代理人を辞退せざるを得なくなり、謝燕益氏も結果的に弁護士免許を剥奪されました。

孫茜さんの妹によると、孫茜さんの逮捕後まもなく、彼女名義の財産が夫に横領されたといいます。

また 謝燕益氏によると、孫茜さんは拘束期間中強制的に弁護士を辞退させられただけでなく、カナダの国籍を放棄し罪を認めるよう強いられました。

孫茜さんが中共当局に身柄を拘束されて3年以上経ちますが、孫茜さんの境遇はカナダの国民、政府関係者、メディア、国際社会から広く注目を浴びています。

 
関連記事