中共が香港国家安全維持法を7月1日に施行したことを受けて、複数の国が中共による迫害から逃れる香港人の受け入れを表明しています。米議会が香港人の亡命申請の優先法案を提出したことに続き、英国も7月1日、海外市民パスポート保持者に、5年間の滞在を許可すると発表しました。また、オーストラリアは2日、香港市民の受け入れを積極的に検討していることを明らかにしました。
香港国家安全維持法が可決された翌日、英国のジョンソン首相は、イギリスの海外市民パスポート(BNO)を持っている香港市民に5年間の滞在許可を与え、その後イギリスの市民権を申請できるようにすると述べました。
ジョンソン英首相
「我々は海外の英国市民を受け入れる新たなルートを紹介し、彼らに限定的な在留許可と英国で生活し仕事をする権利を与え、のちに市民権申請ができるようにする」
ラーブ外相は具体的な市民権取得方法を紹介し、申請条件を満たす300万人の香港人とその家族に適用されると述べました。
英国のスカイニュースは2日、英国外務省が1日、劉暁明中共駐英大使を召喚し、「香港国家安全維持法」に対し「深い懸念」を表明したと報じました。
中共大使が香港問題を巡って英外務省に呼び出されるのは1984年以来2回目となります。
オーストラリアのスコット・モリソン首相は2日、香港人に亡命ビザを提供することを検討していると述べました。
スコット・モリソン首相
「(香港人に)支援を提供するのかどうかについて聞かれるなら、答えはイェスだ」
カナダは6月30日、香港に対する渡航禁止措置を更新しました。
声明では「香港国家安全維持法が2020年7月1日に施行された。これにより、恣意的に拘束され、本土に引き渡される可能性が高くなる」と述べられています。
日本政府は2日、香港には日本人が2万6千人、日系企業が1400社あることから、「一国二制度」の原則は日本にとって非常に重要であると述べました。
菅義偉内閣官房長官
「邦人保護の観点を含め、今般の法律(国安法)をめぐる今後の影響については、しっかり注視していきたい」
また、日本政府は今後も関係国と緊密に協力し、適切な対応をとると述べました。