6月中旬に中印国境で勃発した衝突を受けて、両国間の緊張は高まっています。 インドは軍事、外交、通信、投資など複数の分野で対抗措置を講じており、中共との全面的な切り離しを求めているようです。
インドのナレンドラ・モディ首相は7月3日、先日衝突があった中印国境のラダックを突然訪問しました。モディ首相は同地の軍事基地を視察し、中共軍との衝突で負傷して治療中の兵士を見舞いました。
ナレンドラ・モディ首相
「世界のいかなる強権に対しても、我々は頭を下げたことはない。前にもなかったし、これからもない」
モディ首相はまた、道路や橋の建設など、国境地域の開発を加速させるために、インド政府の国境インフラへの支出を3倍にするとも述べました。
同時にインド国防省は、各種ミサイル550発やロシアのMiG-29戦闘機21機など、総額50億ドルを超える巨額の武器購入を承認しました。
外交面では、インドは先日、ジュネーブで開催された国連人権理事会で「香港問題への懸念」を表明しました。インドが香港問題について発言したのは今回が初めてです。
インドは6月29日、「国家安全保障」への懸念を理由に、ウェイボーやWeChat、Tiktokなど59の中国製アプリを禁止しました。7月1日、モディ首相は、自身の公式微博アカウントから投稿を手動で削除しただけでなく、中国の駐インド大使館を通じてアカウントを閉鎖するよう通知を送りました。
これに対し、ポンペオ国務長官は、インドが中共の監視ツールとして機能する特定のアプリを禁止することを歓迎すると述べました。
インドの反中共措置には、経済投資の分野も含まれています。インドのメディアによると、インド政府の高官がファーウェイとZTEに同国の5Gネットワーク構築への参入を認めるかどうかを議論しているといいます。また、インド政府はインドの高速道路事業に中国企業の参入を認めない方針を示しており、中国からの電力関連機器の輸入も厳しく制限しています。
6月15日、中国・インド国境沿いのラダック地区で軍事衝突が発生し、インド側で兵士20人が死亡、少なくとも76人が負傷しました。しかし、中共当局はいまだ、中国側の死傷者に関する情報を公表していません。